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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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セミナー「コミュニティ排水処理設備の新たな地平-良質で持続可能な設備に向けて-」の開催

1月16日、17日にジョグジャカルタ市内のホテルで「コミュニティ排水処理設備の新たな地平-良質で持続可能な設備に向けて-」という国際セミナーを開催しました。国際セミナーと言っても、インドネシア人以外は日本人2名(APEXの田中、香川高等専門学校の多川先生)のみですが。

参加者はジャワ島だけでなく、スラウェシ島、スマトラ島、ロンボク島からも集まり、計103名となりました。参加者の属性としては大学、地方・州政府機関、排水処理設備のファシリテーター、企業からの参加者が多かったようです。

初日(1月16日)の来賓・講師は以下の方々です(講演順、敬称略)。
スター付き画像-1

 ①カリヤンティ・プラティウィ(ジョクジャカルタ特別州公共事業国民居住局、人間居住部門計画課長)
 ②ヌール・ラハマニア(環境森林省、国内廃棄物汚染防止課長)
 ③スハルソノ・アディ・ブロト(公共事業国民居住省、居住地域における環境改善促進プログラム局、排水処理課長)
 ④田中直(APEX代表理事)
 ⑤コマン・ラカ(公共事業国民居住省、同局、衛生使途指定予算チームリーダー) 
 ⑥イクバル(インドネシア技術評価応用庁、環境テクノロジーセンター)
 ⑦多川正(香川高等専門学校准教授)
 ⑧モック・ショリヒン(ブラウィジャヤ大学、灌漑技術学科長)


2日目(1月17日)は現地視察から始まり、ロフィック氏、ワハヨノ氏両名の講演、パネル・ディスカッションが行われました。(以下、講演順、敬称略)
国際セミナー2日目の講師

 ①ジョクジャカルタ特別州スレマン県カラングワル地区の排水処理設備見学
 ②ロフィック・イクバル(バンドン工科大学、環境土木学部)
 ③ワハヨノ・ハディ(スラバヤ工科大学、環境技術学科、水再生研究室長)
 ④パネル・ディスカッション

セミナーでは、通常行われている嫌気性処理のみの排水処理設備では現在の排水処理基準を満たすことは出来ず、好気性処理を追加する必要があることが再確認されました。APEX・PUSTEKLIM(排水処理適正技術センター)は、その好気性処理として独自開発した立方格子状回転円板を採用しており、低コストかつ運転管理が容易で、接地面積が少なくて済むという優位性を持っています。

今回のセミナーでは、そのことを理論的・実証的にも参加者の方に理解していただくことが出来たのではないかと思います。実際に、このセミナーの開催中・終了後にも複数の地域の担当者から、PUSTEKLIM方式の排水処理設備の設置をしたいという相談を受けました。その中から、出来るだけ多くの地域への展開が可能になり、その結果、インドネシアの水質汚濁の問題の解決に少しでも貢献できることを祈っております。

セミナー会場の様子2セミナー会場の様子1
セミナー会場の様子

セミナー終了後の集合写真
セミナー終了後の集合写真

(APEX彦坂)

ジョンカン地区の排水処理設備の検収を行いました

今年2月から外務省の日本NGO連携無償資金協力事業として始まったコミュニティ排水処理事業も、第1年次の終了まであと2ヶ月を切りました。10月に行われたプログラム研修の甲斐もあって、第1年次の目標であった13ヶ所の対象コミュニティも決まり、設備の建設を急ピッチで進めているところです。雨季という状況と、設置工事要員の少なさがネックとなっていますが、何とか契約期間内には完成させたいです。

そんな中、ジョクジャカルタ特別州スレマン県のサリハルジョ村ジョンカン地区に設置された回転円板の検収をおこなうというので、同行しました。ここはもともと嫌気性処理のみの設備でしたが、本事業で回転円板を追加した地域です。対象世帯数が多いので、回転円板を2基設置しています。現在の接続世帯数は350世帯とのこと。

排水処理設備全体回転円板

実際に現場へ行ってみると、こちらが推奨している設計どおりには作られていませんでしたが、何とかカバーできる範囲内のようです。今はまだ電源が接続されていないので、発電機を持ち込んで回転円板の試運転を行い、きちんと運転が行えることを確認しました。

発電機を用いた試運転住民への説明

以下の地図は、第1年次の対象コミュニティのある県/市(すべてジャワ島内)の場所を示したものです。1つの県/市でも複数のコミュニティに設置されているケースもあり、全部で13ヶ所以上のコミュニティが対象となります。その他にも複数の地域から既に関心表明があり、第2年次の対象コミュニティの選定は第1年次ほど苦労せずに済みそうです。

対象コミュニティ(第1年次)

(APEX彦坂)

10/17,18に行われた今年2回目のプログラム研修@ジョクジャカルタ

10/17,18にジョグジャカルタで、今年2回目のプログラム研修を行いました。

この研修は、地方政府の衛生環境改善担当者やファシリテーターの方々を対象に行うものです。
今回は2日間という限られた日程のうえ、対象もファシリテーター向けということから、施設導入をふまえた必要条件や課題を考えながら行う、かなり現実的なカリキュラムが組まれているところに特長があります。

現実的な、という意味は、例えば、地方政府主導による排水処理設備の設置の場合、低コストで手間がかからない処理技術(嫌気性微生物を使った方法)が選択されることが多いです。

そうなると、(おそらく技術上の長短や運営上の注意点などの情報共有や、住民との合意形成が不十分なのではないかと思う面もありますが)設置後に「クサい」ことへの苦情が寄せられることが多いです。これが悪化すると、つなぎこみをやめる家庭が増えたり、ひいては運転をやめる地域さえ出てきますが、これが典型的ともいえる現実的問題の例です。

そのため、嫌気性処理と好気性処理の組み合わせによって、臭気の問題が解消できますよ、コストも予算内に収まりますし、既存の設備の改造でも効果が得られますよ、という点を中心的に説明を行って、理解を得たいというような意図を背景として、講義のカリキュラムが考えられています。

2日間のカリキュラムは、以下のような内容でした。大筋は7月の研修と同じです。
10月17日
講義① 嫌気性処理と好気性処理の組み合わせによるコミュニティ排水嫌気性処理の機能向上について
講義② 処理水の性状について(品質および重要な要素について)
講義③ 管渠(配管、処理槽の管理、つなぎこみ等)におけるポイント
講義④ 前処理方法
講義⑤ 好気性排水処理の特徴
講義⑥ 嫌気性排水処理の特徴
講義⑦ 設計演習1

10月18日
・現地視察
・排水処理センターで実施中の案件のご説明
・設計演習2

今回は主に西ジャワ州に属する地方自治体から参加者が集まりましたが、両日とも、事前の申し込み以上に参加者が集まり、スタッフ達は対応に追われておりました。

講義は、代表の田中を始め、それぞれ専門スタッフが担当しました。
tanaka_20171125155018cb1.jpg
(講義「嫌気性処理と好気性処理の組み合わせによるコミュニティ排水嫌気性処理の機能向上について」 担当APEX代表田中)

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(設計演習 担当ヘルマン)

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(排水処理センターで実施中の案件のご説明 担当ユニ)

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(講義「管渠(配管、処理槽の管理、つなぎこみ等)におけるポイント」 担当ジュニ)

会場からも具体的な事例に沿った質問や相談が出始め、それに応答すると、技術や課題の解決策についての理解が進み、信頼感が高まる感触がありました。
peserta.jpg

視察の際には、カラングワル地区を訪問。
karangwal1.jpg

月々の電気代はいくらか、停電の時はどうするのか、等の運営への質問が殺到しました。
karangwal3.jpgkarangwal2.jpg

最後に記念撮影を行い、参加者の一体感が最高潮に達したところで終了です。みなさん笑顔で会場を後にしていきました。
foto.jpg
(写真をクリックすると拡大します)

余談ですが、この後、導入に前向きな地域がいくつも出てきまして、今年度中の設置を目指す13の候補地が確定する段階まであと一歩というところまで進めることができました。

現地スタッフの実行力には驚かされます。
staff.jpg
(センタースタッフ、左からユニ、ヘルマン、ジュニ、メルトン、三木)

(APEX三木)


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