特定非営利活動法人APEX
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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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2016年度 適正技術研修報告会にて

20170204会場のようすAPEXは、これまでの実践経験を生かし、これから適正技術分野を担う人材の育成事業として、2012年より「適正技術人材育成研修」を実施しています(事業詳細はこちら)。今回、その2016年度の研修に参加した方々による報告会を、第193回APEXセミナーとして、2017年2月4日に実施しました。


今回の報告会では、初めてAPEXのイベントにご参加いただいた方にも研修の内容がわかりやすいよう、事務局からの研修概要の説明に加え、発表者それぞれに、各プログラムの内容を自分の言葉で説明していただく機会を作りました。聴講された方の理解の助けとなったことを願います。


さて、参加者の発表を聞いていると、改めて、その研修プログラムの幅の広さにと感じます。文献を通じて理念的な議論も行う研究会、国際協力などの分野で活躍する講師から活動実践を学ぶ講義、実際に現場に足を運び、現地の空気に触れながら問題の解決を考えるスタディツアーなど、参加者それぞれ各プログラムへのコミットメントの濃度が異なる中で、参加者同士が創発しあうような感じがあります。そして、この研修に参加される多くの方が持つ共通点として、これから自分で何かを始めたいと考えているというのも、みなさんにとってプラスのモチベーションとなっているのではないかと思います。

20170204発表者
事務局としては、そのような高い意識を持つ参加者のみなさんに、参加者と事務局の双方の負担が大きくなりすぎない中で能力を十分に発揮していただきつつ、いかに成果を実感できるプログラムを作っていけるかというのが、今後の課題だと思います。

2017年度の研修プログラムはまだ企画中ですが、内容が決まり次第、ホームページなどでお知らせさせていただきます。来年度のみなさまのご参加をお待ちしています! (APEX塩原)

終了後は恒例の懇親会。盛り上がりました!

インドネシアスタディーツアー2016 後編(バリ、ジョクジャカルタ編)

さて、後半のデンパサール(バリ)~ジョクジャカルタ部分までをお伝えします。前半(マウメレ編)はこちら

8月14日の早朝にマウメレを発ち、バリに戻りました。夕方ジョグジャに向かうまでの時間、バリで過ごします。今回は、空港からほど近い森林保全地区(Kawasan Taman Hutan Raya Ngura Rai)に立ち寄りました。ここでは、14ヘクタールにわたる沿岸部のマングローブが保護されていて、干潟の生態系も見ることができます。珍しい形の花を見たり、ある種のエビが出すピストルのような音を聞きながら、広大なマングローブ森を散策しました。
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バリ空港近くのマングローブ保全地区

バリでのつかの間の滞在を楽しんだ後、ジョクジャカルタに向かいました。
ジョグジャのネオンサインやライトアップされたショッピングモールなどを見ると、何だかほっとします。インドネシアにおけるホームグラウンドだからか、最終目的地に到着した安ど感からでしょうか。

翌日は、ホテルでジョグジャ名物のグデッとソト(gudeg,soto)が出てきたので、旅の疲れも解消。俄然元気が出てきました。
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グデッはジャックフルーツの甘辛煮こみ、
ソトは、ターメリックの入ったチキンスープです

ツアーの後半(ジョクジャカルタ部分)は、APEXやパートナー団体が関わる活動を例に、当地の社会の問題への具体的な対策についてご覧いただくことを趣旨としています。
まずは、APEXとパートナー団体のディアンデサ財団が運営している「排水処理適正技術センター」へ向かい、活動の詳細をご説明しました。
インドネシア語→日本語の通訳は、今年の4月から現地入りしているインターンの大野君が務めています。
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排水処理事業のご説明

その後、排水処理設備のモデル地区となっている「クリチャック地区」を訪問しました。処理設備が設置されてから8年ほど経過していますが、現在も住民の方の運営が続いています。今年は、新たに設備を囲う壁と屋根が設置されていて、より大事にされている様子がうかがえました。
システムの稼働の様子や処理水の清浄さに加え、参加者の方々の関心の的となったのは、運営資金の徴収についてです。
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左:クリチャック地区の排水処理設備。
右:費用の徴収システムについて説明を受けているところ

ここではもともと、自治管理費用のような名目で、住民の方からお金を徴収するシステムがあったようですが、排水処理設備導入により、目的がより明確になったとのことでした。助け合いの慣習がある土地柄でもあることから、各家庭の経済的状況に合わせた費用負担制となっているとのこと。少額ずつを毎日徴収するのも、未納を防ぐ工夫です。そのようにして、利用者による費用徴収を可能とし、自己運営が続いているのです。処理設備の上の屋根や通路のコンクリート代なども地域で賄えているようで、たいへん結構なことだと思います。

このような地域での運転・管理の様子は、次の訪問先である「カラングワル地区」でも同様です。カラングワル地区では、もともと地域開発の方針があるとのことで、住民が徴収/負担する費用の一部は、排水処理設備の運営のみならず、他の開発費用にも配分されるとのこと。こちらの地域では、排水処理後の水で魚を飼い、汚泥のコンポスト化など、副生物の再利用にも積極的ですが、案内された方のお話では、現地の感覚でも安いと思える費用で排水が処理できることに、大きなメリットがあるようでした。
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カラングワル地区の排水処理設備の様子です

排水処理設備の設置されている川沿いでは、市の施策で護岸工事と遊歩道の設置が進んでいるようでした。処理設備の副次的な利用という意味では、いずれ見学用の通路などを整えれば、次のスクナン地区のような環境保全地区としてのモデル化も図れそうだなと思われました。

3番目の訪問先である「スクナン地区」は、クリチャック地区と同じ時期に排水処理設備が設置され、同様に住民の自主運営が行われている地域です。大きく違う点は、住民の方の多くが積極的に環境保全活動を行っており、今やエコビレッジ化しているところでしょうか。地域の環境を良くしながら、観光資源化にも成功しているところで、毎月数百人の観光客がスクナン地区を訪れてているようです。この日はこちらの地域でホームステイしながら、エコ活動を始める経緯や実際の活動を学びました。
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スクナンでのエコ活動開始の経緯等を知りました

余談ですが、フローレス島の頃から、現地の方の生活に近い過ごし方をしてきたせいか、この頃になりますと、みなさますっかり現地慣れしておられました。食べるものをはじめ、お風呂も現地の方と同じ水マンディ(水浴び)で差し支えないとおっしゃるので、驚いてしまいました。ご不便をおかけしてすみませんでしたが、みなさまには、こちらの駐在員も負けます(笑)。

スクナンでは、代表者の方にエコ活動のお話をうかがった後、地区内を歩いて見学しました。夕食後のレクレーションとして、ガムラン演奏を体験し、翌朝は、プラスチックの空き袋や買い物袋を再利用したクラフトづくりを体験させてもらいました。
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スクナンでのガムラン、エコ活動体験

スクナンを後にし、再び排水処理センターに戻りました。
ジョグジャの2日目は、バイオマスエネルギー事業の見学やパートナー団体の活動の見学がメインとなっていました。
はじめに、APEX代表の田中よりプロジェクトの詳細をご説明させていただいた後、建設中のコールドモデルや、先行のプロジェクトで建設した実証プラント等を見学しました。実証プラントの見学の際には、当時、実際に動かしてみてはじめて浮き彫りになった問題が多かったことや、現地の技術担当者と話し合いを続けて課題を乗り越えてきたこと等のお話もありました。それらの努力の跡をとどめている実験プラントの姿には、感慨深いものがあります。
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建設中のコールドモデル、先行事業の実証プラントを見学

パートナー団体のディアンデサ財団の活動では、エイ皮の加工工場を見学したほか、効率の良い調理用ストーブの開発の研究室でお話をうかがうことができました。
代表のアントン氏とも会談する時間が持てました。
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左:エイ皮加工品製作の様子 中央:アントン氏との会談の様子、
右:クッキングストーブの研究室(国内外から取り寄せたストーブを見せてくれているところ

今回のツアーでは、産業の現場やコミュニティ活動に従事する方に積極的にお話をお聞きし、現地の生活も体験しながら、インドネシアの社会や国際協力活動への理解を深めることを目的としていました。
まとめのミーティングを行った際、みなさまからは、地域資源の有効活用や産業の育成、販路の拡大等が課題と思われること、ならびに、住民の方の意識の持ちようが重要であること等の意見が寄せられていました。また、そのために何がち込まれるべきか、どういう支援が必要か等についても話し合われました。

これに加え、APEXの活動や活動地の現状についても、これまで以上に理解が及んだとのご感想や、インドネシアを満喫したとのお声もいただきました。意図した目的におおよそ沿うようなツアーを実施することができ、インドネシアでの生活も楽しんでいただけたようで、その点は良かったと思っています。

一方で、ハードスケジュールになってしまったため、このメンバーでなければういまくいかなかったかもしれない(汗)・・と思われる側面が多少ありましたこと等は今回の反省点です。次の機会に生かしたいと思います(笑)。
みなさま、本当にお疲れさまでございました。
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最終日、世界遺産のボロブドゥール遺跡を観光しました

なお、今回のツアーの内容や感想については、9~11月頃行われる報告会でご報告する予定です。詳細は追ってHPに掲載しますので、ご関心をお持ちの方は、この機会にどうぞお越しください。

(APEX三木)



インドネシアスタディーツアー2016 前編(フローレス島編)

8月10~18日にインドネシアスタディーツアーを実施しました。
このツアーは、2009年より始まり、2012年からは、「適正技術人材育成研修」内のカリキュラムの一部として実施ておりましたが、今年は5年ぶりに一般募集もしました。

今回は、APEXの活動にとどまらず、現地の社会や産業の現状、環境の問題等をご覧いただき、社会貢献活動が行われている現場を訪ねながら、国際協力活動への理解を深めていただきくことを趣旨として実施しました。

そのため、前半のフローレス島では、地方政府を訪ねたり、市場や各種産業(食品加工、農業、漁業)に携わる方にお話を聞き、どのような支援活動が必要かを話し合うところまでを目的にしております。

前半の8/11~14におけるツアー概要について、フローレス島在住の彦坂がレポートします。


8月11日から14日にかけて、スタッフ2名を含むスタディーツアー参加者の方々がマウメレを訪問されました。

11日の昼過ぎに参加者の皆さんがマウメレへ到着してから、ホテルでマウメレのあるシッカ県の現状を説明し、シッカ県でAPEXが取り組んできたことをご紹介しました。
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マウメレの空港で

2日目の12日には、まず市場へ行き、市場の管理事務所長さんから市場の運営の仕組みや収益、ごみ処理などについてお話を伺いました。
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市場の管理者の方に話を聞く

その後、シッカ県のBAPPEDA(地域開発計画局)へ。BAPPEDAは県内の経済情勢や農業を初めとする諸産業の状況などの情報を取りまとめて、県の開発をどのように進めていくか決める機関です。また、私達NGOが県内で活動する上での窓口でもあります。
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BAPPEDA訪問

BAPPEDAの後はウリン村という所にある、魚のアボンを生産している女性グループを訪問しました。ジャワ島などでよく作られるアボンは通常、牛肉を乾燥させたものですが、こちらでは牛肉は高いので魚(マグロ)の肉を使うことを思いついたそうです。2003年から生産を開始して、今ではフローレス島内だけでなく、ティモール島やジャワ島、スラウェシ島などにも販売しているとのことです。

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左:マグロの肉を使ったアボン。パンと一緒に食べると美味しいそうです。
右:アボンを作っている女性グループの方々と

その後、マウメレに戻って昼食を取り、シッカ県南部のネンブラ村に向かいました。ネンブラ村はジャトロファの種子の収集を行っている地域の一つで、住民の方は農業に従事している方が多いです。住民との会合の際に、農業における収穫物についてや経済状況についてお聞きしました。また、女性の代表的な手仕事でもある織物(イカット)の製作過程も見せてもらいながら、織物製作に関するお話もお聞きできました。この日はそのまま、種子収集人宅でのホームステイも実現しました。
村長さんや付近の住民も集まってみんなで夕食を食べた後は、モケと呼ばれるヤシ酒を飲みながら、親睦を深めました。

ネンブラ村での住民との会合IMG_3572.jpg
ネンブラ村での住民との会合     イカット作りの様子

3日目の13日の朝になると、参加者の皆さんは朝食を作っている女性陣と会話をしたり、調理のための薪割りを手伝ったりして、各自住民との交流を楽しんでいる様子でした。

ホームステイ先の台所にてホームステイ先の台所にて2
ホームステイ先の台所にて。火のそばにやってくる子犬たち。

朝食後、ネンブラ村を出発して、ジャトロファ・センターに向かいました。ジャトロファ・センターでは、センター内の設備を案内した後、ココナッツ・オイルの搾油の様子をご覧いただきました。


ココナツオイル搾油の様子

その後、ココナッツ・オイルを使用してピサン・ゴレン(揚げバナナ)、ウビ・ゴレン(揚げ芋)の試食会を行いました。この試食会には、ココナッツ・オイルの宣伝も兼ねてジャトロファ・センター周辺の住民も招待しています。ココナツ油を料理に使う機会が少ない日本の方は、独特の風味が加わっておいしいとおっしゃっていましたが、住民の方々は、伝統的な方法で普段からココナツ油を作っているそうで、それに比べると、ふるまった方の油にはまだ少しココナッツの臭みがある点を指摘されていました。しかし、有用なアドバイスも頂くことができました。

ココナッツ・オイルを使用した試食会IMG_3677.jpgIMG_3674.jpg
試食会では、ジャトロファ・センター周辺の住民が調理を手伝ってくれました。

ジャトロファ・センターで昼食を取ってから、ジャトロファ事業の協力先であるディアン・デサ財団がフローレス島で実施してきた水供給・衛生事業のサイトを訪問しました。この辺りでは、水がないからトイレを作れないという住民が多くいました。そこで、ディアン・デサではそのような住民の家に雨水を溜めるタンクを設置して、セプティック・タンク(最も簡素な排水処理設備)を備えたトイレを建設してきました。

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YDDが設置した雨水タンク

訪問先がヤシ酒(モケ)を作っている農家さんだったことから、偶然にもその生産現場を見せてもらえることができました。モケはヤシの花から採取した蜜(アルコール発酵したもの)を蒸留させて作られます。アルコール濃度は30度以上。出来立てのモケも試飲させてもらいました。

モケの蒸留設備
モケの蒸留炉

それから同財団の事務所に行き、フローレス島でこれまでに行ってきた活動などについてお話を伺いました。ディアン・デサ財団の東ヌサトゥンガラ州支部は1980年の設立以来、10,000ヶ所以上の水供給タンクを設置するなど、住民に密着した支援を実施してきたそうです。

タンクやトイレの設置先の選定にあたっては、同地区の住民にも一部の材料や労働力を提供してもらうことをまず確認するそうです。提供した設備に対して所有者意識を持ってもらうためと、使用される技術を住民自身が習得することが出来るようにとのこと。実際にそこで技術を学んだ住民が、各自の村や他の地域の住民にも技術を広めているケースもあるようです。

ディアン・デサ財団の事務所を出た後は、スラウェシ島からの移民が多く住む漁村(ウォロマラン村)を訪問しました。高床式の住居が多く、一部は海上に建てられています。衛生状態もあまり良くない所です。ゴミも散らかし放題のありさま。案内を依頼していた人の都合が悪くなり、自分たちだけで住宅地を歩いてみただけですが、想像を超えるような場所であったためか、来た甲斐があったと参加者の方々は言っていました。

ウォロマラン村ウリン地区

こうして、12日、13日と実質2日間、普段の観光ではめったに訪問しないような所に行き、多くのことを学んだ参加者の皆さんは14日の朝、デンパサールへ向けて出発しました。

後半(バリ、ジョクジャカルタ編)はこちら

APEX彦坂)

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