特定非営利活動法人APEX
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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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ムンティグヌンのディアン・デサ財団の事業視察

フローレス島駐在の彦坂です。今回は、フローレス島で実施中のプロジェクトの報告ではありませんが、協力団体のディアン・デサ財団がバリ島で行う事業サイトを見学する機会があったので、ご紹介したいと思います。

バリ島とは行っても華やかな観光地ではなく、デンパサールのングラライ空港から車で3時間ほど、バリ島北部にある西ティアニャール村ムンティグヌン地区です。

乾燥した気候で、水源のない同地区は以前は物乞いの多い地区として有名でしたが、ディアン・デサ財団は2006年から、そこでカシューナッツの加工やロセラ(ハイビスカス)・ティーやパームシュガーの生産などを行い、特に女性を中心に雇用機会を提供しています。(http://www.muntigunung.com/

まずはカシューナッツやパームシュガーの倉庫を訪問しました。

倉庫

ここは1kmほど離れたところにある加工センターに運ぶ前に、カシューナッツの乾燥などを行う場所です。ロセラの花の乾燥も行っていました。黒いシートは、ディアン・デサ財団が通常、水を貯めこむプールなどを作るために使用するシートです。丈夫で黒いので、乾燥に使用するのに丁度良いです。下の右の写真がロセラ(ハイビスカス)です。

ロセラの乾燥ロセラ

太陽光(熱)で乾燥させる、温室みたいなソーラードライヤーというものも使用しています。

ソーラードライヤー

加工センターでは30~40名ほどの女性がカシューナッツの殻剥き・薄皮剥きを行っていました。

カシューナッツの殻剥きカシューナッツの薄皮剥き

カシューナッツの殻はかなり硬いので、専用のカッターを使用して割ります。殻剥き機を使う所もあるのですが、ここでは周辺住民に雇用の場を提供するために、おもにマニュアルで作業を行っているとのこと。

カシューナッツの加工場

以下の写真は、ここで作られた製品です。パームシュガーはオウギヤシ(インドネシア語ではロンタール)の樹液から作られますが、そのオウギヤシの葉から作ったカゴなども製品の容器として利用しています。

ムンティグヌンの製品

ここで作った製品をごちそうになりました。左奥がロセラ・ティー、右奥の小皿に乗っているのがいろいろな味付けがされたカシューナッツ、左手前が白砂糖とパームシュガー(茶色い方)、右手前がカシューナッツとロセラのお菓子、ドライマンゴーです。
DSCN2715.jpg

(APEX彦坂)

10月開催のAPEX25周年記念行事、インドネシアからのゲスト:アントン・スジャルオさん

10月6日開催の日本・インドネシア適正技術会議のスピーカーである アントン・スジャルオさん

アントンさんが代表を務めるYayasan Dian Desa(ディアン・デサ財団)は、APEXのインドネシア事務所(PUSTEKLIM)のお隣です。

DianDesa

ディアン・デサ財団の目的は、

・コミュニティの生活水準向上と生活の安定に役立ち、
 かつコミュニティの状況に適切な技術を開発・普及させること
・技術的な補助を通した対象コミュニティのエンパワーメント
・政府や援助組織とコミュニティの仲介役
・若者やNGOを対象とした、開発や適正技術についての研修の実施
・企業、政府、NGO、大学や国際機関とのネットワークづくり

これらのことを達成するために、現地スタッフや海外からのボランティアなどの人々が様々な活動をしています。

設立当初はたった4人の職員
活動分野も、「きれいな水の供給と衛生」だけでしたが

現在は約300人!
活動分野も

・水供給と衛生
・効率的なエネルギー利用と再生可能エネルギーの生産(効率的なかまどの開発と普及、バイオマスエネルギー)
・荒れ地を利用した農業による収入増加(ジャトロファの栽培促進、買い取り、精油)
・小規模産業による収入増加(エイの皮(廃棄物)を使った工芸品作成・販売)
・廃棄物、排水処理(医療廃棄物処理装置の開発と普及)
・家庭レベルで行える水の殺菌・浄化法の普及と改良

など多岐にわたるようになりました。

アントンさんは、大学時代から
適正技術を使って都市から離れた地域の発展のために様々な活動を行ってきたそうです。

例えば、毎日10キロ歩いて水を汲みにいっているような山の上の集落に、水を供給するプロジェクト

私も先日行われたAPEXのツアーに参加して見に行ってきました。

集水地点1

山奥でした。。。結構急な坂道で、10キロも歩いて水を汲みにいくなんて想像つきません!

集水地点2

ディアン・デサの水供給プロジェクト担当の方の話によると、
山の上にある水源から、高低差を利用して水の分岐地点に水を送り、分岐地点よりも下にある集落に水を配っていくそうです。

上の2つの写真は、第一の分岐地点

下の写真では、水が2つの槽に分かれて流れているのがわかります。この水は、これから2つの方面に向かって流れていき、それぞれの目的集落に到着します。

この他にも水関連のプロジェクトでは、塩分を含んだ水を脱塩して飲料水に使うための研究なども行われています。

その他の活動では、エイの皮(廃棄物)を使った工芸品の生産工場もオフィスの近くにあり、

えい皮1

すてきな小物やバックに変身しています。

えい皮3

えい皮2

以前、この工場では、障害を持った方々を雇用していました。
不自由な人たちに対する社会的な意識や雇用の機会がまだまだ少なかったような時代から
活動をしていたとのことです。

ディアン・デサ財団の

ディアンは「ランプ」

デサは「村」

「村のランプ」です。

英語では

"Light of the village foundation"

日本語では

”村の灯(ともしび)”財団

でしょうか。

活動目的や、実際の活動でもみなさん感じられていると思いますが、ディアン・デサ財団の視線の先には

「困っている人たち」がいます。

どうして財団の名前をディアン・デサ財団にしたんですか?と聞いたところ

「財団を作った当初、都市部と田舎とはテクノロジーや知識にすごく差があったんだ。
田舎では先祖代々受け継がれてきてきた英知があるけれど、新しい知識や技術もどんどん生まれていた。
このため、生活スタイルやレベルもどんどん離れて行っていたんだ。

田舎と都会
ジャワとその他の小さな島々

ジャワ以外には昔は大学もなかったしね。知識を伝えるすべがなかったんだよ。

それで僕たちは、この差をうめる橋になりたいと思ったんだ。

人々に技術を教えることで、みんなに知識を与えて教化すること(Enlighten:啓発する、教化する、などの意味)。
それで田舎の人々の生活を豊かにしたいと思ったんだ。」

昔の(今もそうですが)貧しいインドネシアの村々。広い意味での教育という光で希望を与えたいという思いを込めて名前を付けられたんだなぁと思いました。

ディアン・デサ財団のロゴにはランプがあしらわれていますもんね(ディアン・デサ財団の入口の写真です!)

下の写真がアントンさんです。

パック・アントン¥

ディアン・デサ財団のスタッフにアントンさんってどんな人ですか?

と尋ねると、

「100年に一人か二人くらいしか出ない人だと思う!」

「とても頭が良くて、実行力もあるけど、決して自慢したりしない。人間的にも素晴らしい」

「フレンドリーで、とても丁寧な人。貧乏な人と話をする時も、
目上の人に話しかけるような丁寧な言葉で話しかけていたよ」
(ジャワ語には、言葉にもランクがあって、貧乏な人や目下の人に使う言葉、友達に使う言葉、目上の人に使う言葉、などがある)

と言っていました。

そして、こんなコメントも!

「アントンさんはカラオケが大好き!とってもうまいんだよ。学生の時は、バンドをやっていたんだ」

ディアン・デサ財団の人は、みんなパッ・アントン(インドネシア語でアントンさん、パッは男性につかう)のことが大好きです。

会議ではどんな話が聞けるのでしょうか
楽しみですね~

<APEX尾上>

メラピ山の噴火に遭遇して

昨年の10月26日、インドネシアのジョクジャカルタ北部にあるメラピ山が噴火し、死者300名以上、避難者29万人に上る大災害となりました。噴火当時の緊迫した状況や現地協力団体の救援の様子などをジョクジャカルタ駐在スタッフがレポートしてくれましたので、掲載いたします。



 10月26日から、ジョクジャカルタの北に位置するムラピ山が激しく噴火し始めました。最も激しく噴火した11月5日の夜中の噴火では、噴火の振動で家の窓が地震の際のようにガタガタと鳴り、割れてしまうのではないかと心配しました。直後に、熱い砂と灰の雨が降り、家中が硫黄の匂いでいっぱいになりました。

灰が降り積もるジョクジャカルタ市内
(灰が降り積もるジョクジャカルタ市内)

その晩、セキュリティーゾーン(避難勧告地域)が山頂から20km圏内に拡張し、自宅まで5km弱の距離に迫りました。翌朝には、御近所の皆さんがタクシーや車に荷物をつめ、避難が始まっていました。近所にはコス(大学生用の下宿先)が多いので、心配している両親の元に多くの学生達が帰っていきました。普段は冷静で、“ティダッ アパアパ”(大丈夫!)が口癖になっているインドネシアの方の顔にも緊張が走り、余裕の無い様子を見せていました。
その日のニュースで、Kali Gendol(初めに発生した火砕流が流下した川)南部のアルゴムルヨ村で64人が死亡、77人が重い火傷を負ったとのニュースを聞きました。被害地域は火口から17、18kmも離れ、前日まではまだ安全とされていた地域でした。私も徐々に不安になってきましたが、肉眼で火山から真っ赤な溶岩が流れ出るのを自宅の二階から見たり、貴重な経験をしていると思うことにしました。

《ディアン・デサスタッフの状況》

 ディアン・デサ(APEXが協力して事業を行っている現地NGO、以下YDD)の事務所はカリウラン通りの7km付近にあります。11月5日には事務所からわずか3km先のカリウラン通り10kmにまで避難勧告地域が迫り、事務所は11月5から8日の間は閉まっていました。周辺にお住まいのスタッフの方々、幼いお子さんをお持ちの方々などが避難され、代表者アントンさんのご子息であるエドさんの家族や、APEXスタッフがよくお世話になる総務担当のユユンさん、会計士のスワルドノさんなども、南方のホテルやご親戚の家などに避難しました。幸いな事にYDDのスタッフからは、噴火による被害者は出ておりません。
 YDDは10月26日の最初の噴火から、避難所への給水活動を続けていました。井戸水をUV殺菌した浄水をプラスチック製のバックに入れ、毎日2万~2万5千リットルを供給したようです 。

給水用プラスチックバック
(浄水供給用プラスチックバック)

 今回の災害では、火山灰や砂によるダメージのため4、5時間停電になったり、砂でポンプが止まってしまい、自宅の水道が使えなくなったりした為、生活の不便さに不満を抱いている自分もいました。しかしながら、避難生活を余儀なくされている方々の事を思うと心が痛み、自分が恥ずかしいと思えてきました。家が燃えて全てを失ってしまった人も少なくないと聞いています。自然の脅威を目のあたりにし、実際に手に出来る形あるものの儚さ、危うさを改めて認識する良い機会を得た気がしました。
 自然災害を初めて体験し、仕事上だけでなく、生きる事への新たな刺激ももらった気がします。
(杉浦愛)

なお、現在メラピ山の火山活動は沈静化していますが、堆積した噴出物が降雨で土石流となり、川沿いの地域では深刻な二次災害を被っているそうです。
日本でも、新燃岳周辺で雨による二次災害の発生が懸念されておりますが、これ以上被害が拡大しないよう、また、被災した方々が一刻も早く元の生活を取り戻せるようにお祈りしております。
(APEX三木)

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