ジャワ島中部地震被災者への住宅支援金
(10月7日)
昨日ジャカルタに到着し、今朝ジョクジャカルタに入りました。こちらは今ラマダン(断食月)の真最中。だんだん雲も多くなってきていて、雨季が近いのを感じます。出発前の10月3日にJVC(日本国際ボランティアセンター)と合同で、ジャワ島中部地震の被災者支援活動に関する報告会を開き、その際、政府の住宅復興支援金がいまだに下りないという話題も出ましたが、ちょうどその翌日、支援金がやっと住民の手に渡り始めました。
政府としては、全壊~重度損壊の家に一軒当たり1500万ルピア(約20万円)を支給する方針ですが、ジョクジャカルタ特別州知事のハメンク・ブウォノ10世によると、1500万ルピアは基礎と柱と屋根をつくることはできても壁まではつくれない、追って追加の支給をするようにする、また、軽度~中度の損壊を被った家庭にも、全壊~重度損壊の家の手当てが終わったら支援を始めるとのことです。
給付のしくみとして、住宅が全壊あるいは重度に損壊した住民が、15軒程度毎に集まってグループ(POKMAS, Kelompok Masyarakat)をつくり、議長、秘書、会計担当者などを決め、政府からの支援金をグループとして受けて、自主的に運営管理することになっています。バントゥル県では、「全壊あるいは重度損壊」に当たる家が143,137軒登録されていましたが、精査の結果20,000軒から30,000軒程度削減になるそうです。その結果、9,500グループ程度と予測されていたPOKMASが8,000グループ程度に減ります。10月5日現在で4,140グループが形成されており、そのうち248グループが既に支給を受け始めたとのこと。12月の第二週までにすべてのPOKMASに資金がゆきわたることが期待されています。
バントゥル県ジェティス郡トリムリヨ村のあるグループの例が出ていましたが、支給は段階的に行われるそうで、まず第1段階と第2段階を合わせた金額の40%に当たる5040万ルピア(67万2千円)がこのグループに下りたそうです。このグループは14軒からなっていますが、今回の給付金は、グループ内の話し合いにより、その中で優先度の高い8軒の再建に当てられます。中間報告書を出すと、残りの60%が下りて、合計1億2600万ルピアとなり、残りの分もまずその8軒に当てて、1軒当たり約1500万ルピア得られるようにする、今回給付を得られなかった6軒には次の段階の給付を当てるとのことでした。
これまで、ディアン・デサ財団の緊急支援と、それに引き続く衛生改善・水供給などの活動を支援してきたわけですが、これで本格的な住宅復興が始まれば、これまでの活動はそこにいたるまでのいいつなぎになったともいえます。しかし、資金を得られない被災者との調整やどの家を優先するかの話合いが難航して、グループ形成ができないところも多いと聞き、またお金は下りても、まだ耐震性のある住宅建設にかかわる政府の技術指針が明確でなく、かつ技術面のファシリテーターが約3000人必要なところ、725人しかいないという問題もあるとのこと。まだまだ手放しでよろこべる状況ではないようです。ディアン・デサの活動としては、MCK(トイレ、水浴び場、洗濯場の複合施設)や井戸の修復は収束に向かいつつあり、現在は地震で障害者となった住民向けの住宅復興支援の検討が進んでいます。
(田中直)
昨日ジャカルタに到着し、今朝ジョクジャカルタに入りました。こちらは今ラマダン(断食月)の真最中。だんだん雲も多くなってきていて、雨季が近いのを感じます。出発前の10月3日にJVC(日本国際ボランティアセンター)と合同で、ジャワ島中部地震の被災者支援活動に関する報告会を開き、その際、政府の住宅復興支援金がいまだに下りないという話題も出ましたが、ちょうどその翌日、支援金がやっと住民の手に渡り始めました。
政府としては、全壊~重度損壊の家に一軒当たり1500万ルピア(約20万円)を支給する方針ですが、ジョクジャカルタ特別州知事のハメンク・ブウォノ10世によると、1500万ルピアは基礎と柱と屋根をつくることはできても壁まではつくれない、追って追加の支給をするようにする、また、軽度~中度の損壊を被った家庭にも、全壊~重度損壊の家の手当てが終わったら支援を始めるとのことです。
給付のしくみとして、住宅が全壊あるいは重度に損壊した住民が、15軒程度毎に集まってグループ(POKMAS, Kelompok Masyarakat)をつくり、議長、秘書、会計担当者などを決め、政府からの支援金をグループとして受けて、自主的に運営管理することになっています。バントゥル県では、「全壊あるいは重度損壊」に当たる家が143,137軒登録されていましたが、精査の結果20,000軒から30,000軒程度削減になるそうです。その結果、9,500グループ程度と予測されていたPOKMASが8,000グループ程度に減ります。10月5日現在で4,140グループが形成されており、そのうち248グループが既に支給を受け始めたとのこと。12月の第二週までにすべてのPOKMASに資金がゆきわたることが期待されています。
バントゥル県ジェティス郡トリムリヨ村のあるグループの例が出ていましたが、支給は段階的に行われるそうで、まず第1段階と第2段階を合わせた金額の40%に当たる5040万ルピア(67万2千円)がこのグループに下りたそうです。このグループは14軒からなっていますが、今回の給付金は、グループ内の話し合いにより、その中で優先度の高い8軒の再建に当てられます。中間報告書を出すと、残りの60%が下りて、合計1億2600万ルピアとなり、残りの分もまずその8軒に当てて、1軒当たり約1500万ルピア得られるようにする、今回給付を得られなかった6軒には次の段階の給付を当てるとのことでした。
これまで、ディアン・デサ財団の緊急支援と、それに引き続く衛生改善・水供給などの活動を支援してきたわけですが、これで本格的な住宅復興が始まれば、これまでの活動はそこにいたるまでのいいつなぎになったともいえます。しかし、資金を得られない被災者との調整やどの家を優先するかの話合いが難航して、グループ形成ができないところも多いと聞き、またお金は下りても、まだ耐震性のある住宅建設にかかわる政府の技術指針が明確でなく、かつ技術面のファシリテーターが約3000人必要なところ、725人しかいないという問題もあるとのこと。まだまだ手放しでよろこべる状況ではないようです。ディアン・デサの活動としては、MCK(トイレ、水浴び場、洗濯場の複合施設)や井戸の修復は収束に向かいつつあり、現在は地震で障害者となった住民向けの住宅復興支援の検討が進んでいます。
(田中直)