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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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【報告】「開発とNGO」研究会:『昭和史 1926-1945』

過去3回にわたって、半藤一利氏の『昭和史 1926-1945』を読み進めてきました。半藤さんは、この昭和初期(終戦まで)の歴史を振り返り、この間の日本の戦死者310万人が語りかけてくれるものは何かを記しています。

1.国民的熱狂をつくってはいけない。その国民的熱狂に流されてしまってはいけない。
2.日本人は抽象的な概念論を好み、具体的、理性的な方法論を全く検討しようとしない。
3.日本型のたこつぼ社会における小集団主義の弊害。
4.国際的常識を日本人はまったく理解していない。日本の位置づけを客観的に把握していない。
5.対症療法、すぐに成果を求める短兵急な発想。時間的、空間的な広い意味での大局観がない。

全体として、根拠なき自己過信と、失敗したときの底知れぬ無責任、これが日本を戦争に走らせ、大きな敗北にいたった原因であると半藤氏は語っています。

この頃の昭和天皇は形だけの日本のトップとして存在しているかのように思われますが、実は昭和天皇への畏れや敬意、忠誠心はずっと大きかったのではないかと、個人的には感じました。昭和天皇はずっと戦争の拡大を懸念していましたが、アメリカから無条件降伏以外に戦争が終ることはないと言われたとき、日本は最後まで徹底抗戦することを決意します。天皇制という国体を維持する為だったのではないかと思いました。

戦争をやめる機会は何度もありました。でも歯車がちょっとずつずれ出すように、誰もやめると言い出せなくなり、ずぶずぶと抜け出せなくなったのではないでしょうか。日本人の性質がそれほど変わっていないなら、また下手をするとまた戦争、戦争までは行かないまでも国際社会から孤立することもあるかもしれないと、地球温暖化対策の動きを見ていてちょっと思いました。

(APEX彦坂)

【報告】第157回APEXセミナー「途上国における技術移転・森林減少の現状と今後の課題」

2月12日(火)午後6時半から、第157回APEXセミナー「途上国における技術移転・森林減少の現状と今後の課題 -COP13の結果を受けて-」が開催されました。

講師のお一人、海外環境協力センターの加藤真さんは、「COP13-COP/MOP3での国際交渉について -途上国支援やCDMに焦点を当てて-」と題してのご講演をなさいました。COPで行われている国際交渉がどのようにおこなわれているか、そして昨年のバリのCOPがなぜ重要な会議であったか、CDMの現状などについてのお話でした。

途上国が温暖化ガスの削減に参加し、それを先進国が支援すると約束した点で、 バリの会議は重要なものであったと加藤さんは語られました。そして、CDMを通じて技術移転をどのように行っていくのかが今後の課題とのことでした。

もうお一方の講師、コンサベーションインターナショナルジャパンの日比保史さんは、世界の森林の現状、気候変動と森林減少・劣化と生物多様性の関連、COP13での検討事項や各国の交渉ポジションと合意内容などについてお話されました。京都議定書には含まれなかった森林減少・劣化の防止について、COPの場ではじめて本格的に議論されたと言う意味で前回のバリの会議は重要であったそうです。

技術移転、森林減少・劣化ともに途上国のニーズをどう取り入れるかが重要だと感じました。技術移転が単なる省エネ製品の輸出に終らないためにも、途上国の人でも製造・使用・修理の容易に出来る適正技術が必要なのではないでしょうか。

また、森林伐採は先進国の需要があるから減らないのであって、途上国でいくら保全しようと努力しても、より監視の甘い国に流れるということも考えられます。先進国の需要をどう適正にしていくか、持続可能な消費をどう促していくかが、今後の課題のように感じます。特に、日本は木材輸入量と輸送距離を掛けたウッドマイレージが世界一大きい環境負荷大国です。

先進国の支援・消費のあり方が問われているのではないでしょうか?

セミナー時の配布資料(PDFファイル):
「COP13-COP/MOP3での国際交渉について -途上国支援やCDMに焦点を当てて-」(2.56メガバイト)
「UNFCCC COP13/CMP3報告:途上国における森林減少及び森林劣化に由来する排出の削減(REDD)を中心に」(4.47メガバイト)

(APEX彦坂)

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