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特定非営利活動法人APEX
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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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ジョクジャ通信~雨季に入りました。

宮前です。つかの間の東京事務所勤務を経て、先週インドネシア入りしました。
ジョクジャカルタはどうやら雨季に入ったようで、毎日雨、雨、雨…。
今年は乾季が長かったようで、恵みの雨だと喜ぶ人も多いようです。
雨のおかげで以前よりぐっと涼しくなりました。

さて、雨季のジョクジャですが、APEXが技術開発を行ったコミュニティ排水処理施設は季節に関係なく順調に稼動しています。
現在APEXは、ジョクジャカルタ特別州の2地区において、コミュニティの自主管理による排水処理を行っています(詳しくはHPの排水プロジェクト説明をご覧ください)。
排水処理施設の運転を始めて4ヶ月以上たちましたが、処理水の水質は国の定める排出基準をはるかに下回っています。
処理施設からの排水は、見た目も透明で無臭なので、付近の住民も嬉しそうです。プロジェクトサイトのひとつであるクリチャック地区では、処理水の出口付近に小さな池を作り、川魚を育てるようになりました。
また、クリチャックの排水処理施設は川沿いにあるのですが、夕方になると、子どもたちが集まって遊んだり、川を眺めながら座っておしゃべりをする憩いの場になることもあります。
そんな光景を見ると、プロジェクトが地域の方に受け入れられているなぁ…と嬉しくなってしまうのでした。

総合学習でAPEXを訪問

10月23日(木)、東京事務所に中学生が3名いらっしゃいました。

総合学習の時間で、授業の内容は、日本の企業やNGOが世界でどのような活動をしているのか調べ、学級新聞にまとめる、というものだそうです。

APEXには、このように時折学生が勉強のために訪れるのですが、その姿勢は学生によってさまざまです。

今回、埼玉から来てくれた中学3年生は、聞いてみると、他にも国際的な事業を展開している企業や他NGOなどの選択肢はあったようなのですが、APEXの排水処理事業や技術普及の話に興味があったようで、あえてAPEXを選んだということでした。

少し嬉しくなり、そういうことならば、と、時間いっぱいまで説明させていただきました。
説明の中心は、先進国から途上国に技術を伝えるのはなぜ難しいか、そして、APEXの活動についてです。

30分という短い時間でしたが、話を聞き、メモを取り、最後に質問まで用意している姿勢には、とても感心しました。

中学3年となると、受験勉強などであたふたとしがちだとは思いますが、今日の話が、将来の夢や進路を考えるきっかけになったら嬉しいですね。(そんな大それたメッセージを込めるつもりはないですが。)

彼らの質問の1つに、こんなものがありました。

「世界は平等になれると思いますか。」

・・・(いろんな分野で)平等になれるように、君たちも大人になったら一緒にやろうよ!

(APEX 三木)

新しいプロジェクトが始まりました!

先月9月23日から、新しいプロジェクトが始まりました!

このプロジェクトのタイトルは、「インドネシアにおけるナンヨウアブラギリの複合的利用による環境保全型地域開発」というものです。

 ナンヨウアブラギリ(ジャトロファ)という植物は、乾燥に耐え、害虫にも強い灌木で、種子からは油が採れます。そしてこの油は食用には向かないのですが、軽油代替燃料になります。

 プロジェクトは、インドネシアの中でも特に低所得の地域のひとつで行われます。ここは、1年のうち3分の2近くが乾季であり、また年間降水量が1000~1500mmと比較的乾燥した地域でもあります。 このような乾燥地の荒地に資源植物を植栽することで緑化を推進し、生成する軽油代替燃料は、地元のみなさんの生活向上や地域振興に利用します。

 また、これまで取り組んできた、バイオマスのガス化技術開発での経験を生かして、ナンヨウアブラギリの栽培から油の抽出にいたる過程で副生する廃棄物を「発電」に利用し、さらに、廃熱を使って海水を淡水化するという、複合的な利用に関する技術の開発と普及のモデル創出を行います。



 プロジェクトが行われる村では、もともと家のまわりにナンヨウアブラギリを植える風習があり、この植物の取り扱いに慣れているようです。さらに、地域には目だった産業もなく、収入も低いので、村の人たちもこのプロジェクトの開始を待望しているとのこと。従って一過性の事業となることなく、持続性があり、また他の地域への波及可能性なども見込めるプロジェクトといえると思います。

 プロジェクトは約3年間の計画で、これまで協同してきた現地NGOと進めていきます。APEXからもスタッフが現地に滞在し、地域のみなさんと生活を共にしながら進めていきます。

これから担当スタッフを通じて逐次プロジェクトの進捗をご紹介して参りますので、どうぞご期待ください!

(APEX 三木)

【ご報告】グローバルフェスタ2008終了しました

10月4,5日、日比谷公園で行われた「グローバルフェスタJAPAN2008」に出展しました。
今年は去年を上回る出展があったようで、お天気にも恵まれて人出はまずまずでした。


今年のAPEXブースは、日比谷公園の噴水付近に設置。メインステージの裏であり、また会場を周るための主要な通り道でもありで、多数のお客さんが遊びに来てくれました。

ここで活躍してくださったのは、今回のボランティアさんたちです。2日間で計8名のボランティアさんがチラシを配って活動をアピールしたり、インドネシアの雑貨を勧めたりと、大活躍してくれました。

今回は、事前に説明会を開くなどしてみなさんにAPEXの事業内容をご説明してから取り組んでもらったのですが、よかったのは、一人一人が活動の意義を理解して自主的に取り組んでくださったことです。なかにはスタッフさながら活動内容をお客さんに説明できる方もいらっしゃって、うれしい限りでした。

今年もAPEXにゆかりの方が多数ご来場。元研修生も研修時の写真をたずさえて来てくれました。また、去年に引き続き「APEXの販促部長」が応援に来てくれて、盛り上がりも最高潮に。

彼が口上を述べるとブース前には黒山の人だかりができ、インドネシアの雑貨も一気に売れてしまうので、こちらも見習わなくてはいけません。
販促部長の人気(←←部長の姿が隠れてしまうほどの人気!)

・・・とはいえ、4年生の男の子の持つ、頼もしくもあるかわいらしさは、見習おうにも無理というものですが。
というわけで、お子さんの活躍も目立ちました。

みなさんのご協力で、楽しみながら活動のアピールができ、新たな出会いもあって実りのあるイベントになりました。
ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

そして、また来年も遊びに来てくださいね!


インドネシアは今の時期、レバラン休暇です

インドネシアでは、国民の80%以上がイスラム教を信仰していて、イスラム教徒は年に1回、約1ヶ月間断食をする「ラマダン」という期間があります。

この「ラマダン」が終わると「レバラン」というお祭りがあり、ここから1週間くらいのお休みに入ります。

「レバラン」はイスラム教徒にとってお正月のようなもので、この間に帰省したり旅行に出かけたりするので、交通機関はのきなみ超満員、反対にジャカルタなどの都市部は閑散とします。そして最近はだいぶましになったようですが、商店や食堂もあらかた閉まってしまうので、駐在スタッフのように屋台での食事を常にする人にとっては、事前に食料を備蓄しておかないとマジメに死活問題だったりします。

今年のレバランは10月1日だそうで、今ごろジョグジャカルタの協力団体のスタッフのみなさんも、それぞれご家族とレバランを楽しんでいらっしゃることでしょう。

レバラン初日は、早朝、モスクに行って礼拝をするところから始まります。その後は家族で「モホン マアフ ラヒール ダン バティン」と言い合い、親戚やご近所にあいさつに行きます。この期間、会う人ごとにこの挨拶をするのですが、意味は「心身共にお詫びを申し上げます。」で、この1年のすべての罪に対する許しを請うという言葉です。

レバランでは、お客さんにごちそうを振る舞う習慣があります。
この時にジャワでよく食べられるごちそうを紹介すると、オポールアヤムという、見た目はスープカレーのような、骨付きのトリ肉が入った具だくさんのターメリックスープがあります。これにロントンやケトゥパットという、バナナの葉で米をくるんで蒸しあげたちまきのようなものを合わせて食べます。

それ以外にもいろいろとその家自慢のごちそうが出てくるのですが、ジョグジャカルタに駐在していたときには、間借りしていた家の管理人さんがオポールアヤムやソトを作ってくれました。

「ソト」は私のリクエストですが、彼女の場合は数時間~1日かけて鶏肉を煮込んでダシを取る手間のかかる料理で、ホテルのレストラン級においしくて大好物だったんです。通常はこれにライムを搾り、日本で言うところのコロッケのような小さなおかずやご飯を付け合わせて食べます。

また、手作りのクッキーやお菓子なども振る舞われます。こっちは、もっぱらその家の年頃の女の子が担当しているイメージが強いですね。「これ、私が焼いたのよー。」なんて恥ずかしげに勧めてくれ、お菓子談義に花が咲きつつ、また手が伸びて、ついつい食べ過ぎてしまうものなんです。

レバランの時は、来訪者をもてなすのが基本姿勢なので、もてなす方は大変だと思いますが、知り合いがいない人でも、あいさつ回りをするお友達などについて行ったりすると、一緒に歓待してもらえます。日本人としては何か申し訳ないような気持ちにもなりますが、もてなされると、インドネシアの方の寛容さ、思いやり深さが染みてくるように感じます。

なぜか食べ物の記憶ばかりが鮮明なのですが、レバランの時期にインドネシアを訪問できるのは幸運と思いますので、ぜひお知り合いを頼って体験してみることをお勧めします。

ただし、インドネシアの中にもヒンズー教、仏教、キリスト教徒が大勢を占める地域もありますので、お知り合いの宗教は事前にチェック!しておかないといけません・・・

(APEX 三木)

「開発とNGO」研究会について

2008年9月25日(木)に第22回「開発とNGO」研究会 アマルティア・セン著 『人間の安全保障』が行なわれました。

今回は10名の参加があり(スタッフ含む)、時間を超過してさまざまな意見交換がありました。多数のご参加、ありがとうございました。



ところで、「開発とNGO」研究会は、現在の世界の構造、貧困の問題や環境問題等を引き起こしている要因や解決策などに関連する著作を読み合わせて、それに対する代替的な社会のあり方や必要な技術などについて考えることを目的にしております。

文章化するとちょっと分かりづらいのですが、私の中での理解は、「世の中の諸問題を解決するにはどうしたらいいのかと自分の中で考える機会を持つ」ことにあると思います。

さまざまな著作を読んでみると、現実味のない理論世界と思われるものに出会うこともあります。実社会で生活している者にとっては理想や空想でしかないようで一見受け入れがたいのですが、否定することでも肯定することでも、とにかくその著作のテーマについて1回は自分の中で考えることになります。

この「考える機会」が大事だと思います。この機会が多くなれば、あわよくばそのうち自分自身が考える理想の社会というものが形成されるかもしれませんし、それに近づくための技術に対するイメージが築かれるかもしれません。

そして、「社会の問題点を見つけ、理想的な社会のあり方を考える」、または「必要な技術を見つける」という志向は、NGOの発想につながります。
のちにこれが今後のAPEXの活動の構想につながっていけば理想的ですが、APEXの活動に関係がない方にとっても、社会を良くすることへの理解が広がります。

実は、APEXというNGOの設立は「第三世界の問題を考える連続ゼミナール」が発端になっており、途上国の問題を考えていたメンバーが、ゼミを基礎に現地に飛び出していったことから始まっています。

従って、NGO活動の礎となる思考の部分を培うこのような研究会は、今時よく目にするスキルアップのための講座や誰かの理論を分かりやすく説明するセミナーとは違うんですね。

参加者のみなさんの中には、理論を理解できないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、ガチ理系の私も、形のない理論に対してはぜんぜん理解できないこと多々あり、です。

それでも、時間に追われる日常では考えることもなかった「理想の社会」や「社会の問題を解決する策」へ思いを馳せる機会になったからいいじゃないか、程度の気持ちで参加しています。
(こんな軽い気持ちでは、活動の構想につながるなんてことはとても・・遠いですかね)

まだ研究会に参加したことのない方々、試しに私のように軽い気持ちで参加してみてはいかがですか?しかし軽い気持ちとは言っても、題材の著作はなるべく読んできてくださいね!

なお、過去の研究会では、会員の方のご提案で「CDM勉強会」を開催したこともあり、そのような勉強会のご提案も大歓迎です。

(APEX 三木)

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