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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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バリ島での排水処理施設建設地、タバナンに行ってきました

初めてのバリですー!!

今回の訪問の目的は、タバナン県政府との来年度契約に関するミーティングのため。
そして、私的にはバリの協力NGOの方たちと顔見知りになるのも目的です。
これからタバナンでも排水処理施設の建設が始まるので、会計係として気兼ねなくお話ができるようになっている必要があります。

バリの協力NGOの代表は、女性の方。デニックさんです。
女性でNGOの代表!
どんな人なのかなと思っていましたが、小柄でとても気さくなお母さんという感じで、すぐに好きになりました。

さてさて、車で1時間ほどでしょうか。タバナン市政府に到着
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政府担当者に、これまでの経緯の説明です。

探して探して、やっとパセカン・ベロダン地区に建設が決まりました。
処理システムの仕組みはこうで、これからこういうスケジュールで仕事を始めます。

といったプレゼンをしました。
プレゼンの中には、

処理施設の運営に、電気代としてRp.100,000から150,000くらいの費用がかかります

という説明もありました。
政府の担当者は、これに引っかかったみたいでした。

というのも、インドネシアのコミュニティ排水処理と言えば「嫌気処理」といったところがあります。
しかし、

嫌気処理は確かにお金がかからないけど、処理水質は劣る

という問題があるのです。
確かに住民の負担は少ないけど、将来的に見てどうなのでしょうか?

それでもタバナン政府の担当者の方は、なんとなく難色を示している感じ。

そんな中、デニックさんは言いました。

「(負担がかかることは)そうかもしれない。
でも私は、無償でやらないところに意義があると思うんです。
必要なところにお金をかけていくことを私たちはしなくてはいけないし、
負担があるからこそ、自分たちのプロジェクトで、自分たちでやっていくものなんだ
という主体性につながると思う。」

この言葉は、私たちには言えない言葉だなぁと思いました。

思い込みかもしれないけど、やっぱり日本人は経済的に少し余裕のある人たちって思われている気がします。
このようなことは、現地の人に言ってもらうからこそ意味があるし、説得力があるんではないでしょうか。

いろいろな議論は交わされましたが、どうやらタバナン政府は今年度建設される処理施設の様子をみて、公的な評価をしてから次の契約について決めたいということ。
なので、こちらとしてはその意見を受け入れることにしました。

その代わりということで、来年度はワークショップを開きませんか?
これから建設するコミュニティ排水処理施設を広くバリに紹介していきませんか?

と提案。
担当者の方も、

この排水処理施設が、タバナン県の排水処理に関する取り組みのアイコンとなるようにしたい

と前向きな期待を持ってくれていました。

その後、ずっと前から頼んでいた処理施設建設の労務費の見積もりをもらいにパセカン・ベロダン地区へ
今日は見積もり書類を受け取るだけのはずでしたが、、、

できてなかったんです!!

「前から頼んでいたんですけど。。私たちは待ってたんですよ。。」

と苦笑いの田中。。
そこで、「じゃあ、これから作ることにしよう」ということになりました。。

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なかなか物事がスマートには進まないインドネシア。でも、
「そうだったんだ、ははは!」みたいなところは何となく憎めません。

下の写真は、建設を予定しているパセカン・ベロダン地区の町の様子。
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なんとなく緑が多くていいところだな、と思いました。
PUSTEKLIMスタッフのヘルマンさんとジュニが、ちょうど今日から現地の測量の追加調査に出かけました。
建設現場では、工事のための準備をしていると聞いています。

次のブログ更新をお楽しみに~

<APEX尾上>

コミュニティ排水処理施設、着々と作ってます!!

8月から建設が始まった、プカロンガン(ランドゥングサリ)とテガール(スレロック)の排水処理施設。

実は建設過程では土砂崩れのようなことが起こって大変な時期もありましたが、
どうやらそれも乗り越えて、着々と建設は進んでいます!
ただ、水はけが悪い土地なので地下水が染み出てきていて作業は大変そうです。
下の写真はランドゥングサリでの建設の様子です。
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施設は地上部分と地下部分にわかれています。
地下部分では、水はけが悪い土地ということで、雨季などに水があふれてきて逆流しないように排水をいったん貯めたり、排水中の固形物を沈殿させるといった役目を持っています。
これから鉄の棒の骨格の周りにセメントを流す作業。みんなで協力して、木の型を組んでいるところです。

建設責任者の人から説明を受けたり
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プカロンガン市政府の担当者(右)に建設の様子や施設の仕組みを説明したり。
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建設の様子の動画です↓↓


少し前から、PUSTEKLIMスタッフのバキが現場視察に行っていますが、ランドゥングサリでの建設は
90%くらいまで進んだようです!

こちらは、テガール(スレロック)の様子
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家のすぐそばを深く掘ったので、家の重さで土地が崩れてきて一時はどうなるかと思いましたが。。
PUSTEKLIMスタッフと工事関係者が連絡を密に取り合って作業を進め、事なきを得ました。

両都市とも、どうやら順調に工事は進んでいます。
もうすぐ処理施設は完成!
これから市政府が配管工事を行い、11月には運転開始の予定です!!

<APEX尾上>

9/1~9にインドネシアスタディーツアーに行ってきました【前編】

こんにちは、事務局の三木です。

9/1~9の日程でスタディーツアーに行ってきました。インドネシアのフローレス島、バリ島、ジャワ島ジョクジャカルタを周りましたが、ジョグジャが一番蒸し暑かったです。
しかし、それに勝るのが帰国後の東京の暑さ。今年の残暑は格別に厳しかったですね。

さて、今年APEXは「適正技術人材育成研修」を実施しており、今年のツアーは研修のカリキュラムの一環として行われています。例年APEXの開発現場を視察し、地方政府や住民の方との意見交換もしますが、今年は現地NGOや住民グループへの訪問がやや多かったです。今回ご参加いただいたのは、大学生や社会人の方の計7名です。

初日、午前中に成田を出発し、夕方にはバリに到着。2日目はいよいよフローレス島に出発です。
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フローレス島のマウメレの空港では、APEXの現地スタッフが出迎えてくれました。夕方には、ホテルでジャトロファプロジェクトの説明を受けました。
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次の日視察するジャトロファプロジェクトについて説明をうける

3日目は、ジャトロファ事業対象地であるレロロジャ村へ。村長さんにお話を聞いた後、モデル農園などを訪ねます。この辺りは乾燥していて乾季は植物が立ち枯れてしまうのですが、家畜のエサを確保するためなどの理由で野焼きが密かに行われています。山々は見渡す限り焼けこげた色をしていますが、今年は特に黒々としているように見えました。
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左:レロロジャ村村役場の前で(中央が村長さん)
右:ジャトロファのモデル農園 

モデル農園やジャトロファの植栽地を見て回ったあと、共同で農業やジャトロファの栽培にあたっているという2カ所の住民グループを訪ねました。
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プロジェクトや村の状況についてご意見をうかがいました

ジャトロファプロジェクトについてうかがうと、これまで価値がなかったジャトロファの実に値段が付き、プロジェクトに感謝・期待しているという意見が聞けました。要望を聞いてみると、買い取り値段を上げて欲しいことや適宜栽培指導などに来て欲しい等が挙げられました。ジャトロファの買い取り値段については、軽油に競合していかなくてはいけない事情があるのですが、生産量が上がれば状況が良くなることなどをスタッフが説明、住民の方に理解を求めていました。

4日目は、午前中にジャトロファセンターを訪れ、搾油精製、ガス化、海水淡水化各設備やコンポスト生産の様子を見てもらいました。参加者のみなさんは、それぞれの装置や作業の流れについての説明を聞きながら、技術の特徴をつかもうとされていました。
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左:搾油・精製設備
右:ジャトロファ種子の搾りかすからのコンポスト生産

この日の後半は、APEXの協力団体がフローレスで行っている衛生改善プロジェクトを見に行きました。

この辺りでは、22%の家庭にトイレがないようですが、このプロジェクトでは、費用が安く、工事にも時間がかからないトイレの設置と普及の活動を行っていました。特徴的なのは、軽くて丈夫な資材を用いているため運搬・設置が簡単であること、地域の共同体などに働きかけていること、地域の相互扶助システムを利用した分割払いが可能であることなどです。
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左:安価で時間もかからずに設置できるトイレの普及活動を視察
右:自宅にトイレがない人に手を挙げてもらうと、ぱらぱらと手が上がる

その他にも、雨が少ないこの地方で、安価な雨水タンクの製造・設置をしていたり、沸騰の手間がいらない水の殺菌・浄化法の普及に関わるプロジェクトも実施しているようでした。

(後半に続く)

10月開催のAPEX25周年記念行事、インドネシアからのゲスト:アントン・スジャルオさん

10月6日開催の日本・インドネシア適正技術会議のスピーカーである アントン・スジャルオさん

アントンさんが代表を務めるYayasan Dian Desa(ディアン・デサ財団)は、APEXのインドネシア事務所(PUSTEKLIM)のお隣です。

DianDesa

ディアン・デサ財団の目的は、

・コミュニティの生活水準向上と生活の安定に役立ち、
 かつコミュニティの状況に適切な技術を開発・普及させること
・技術的な補助を通した対象コミュニティのエンパワーメント
・政府や援助組織とコミュニティの仲介役
・若者やNGOを対象とした、開発や適正技術についての研修の実施
・企業、政府、NGO、大学や国際機関とのネットワークづくり

これらのことを達成するために、現地スタッフや海外からのボランティアなどの人々が様々な活動をしています。

設立当初はたった4人の職員
活動分野も、「きれいな水の供給と衛生」だけでしたが

現在は約300人!
活動分野も

・水供給と衛生
・効率的なエネルギー利用と再生可能エネルギーの生産(効率的なかまどの開発と普及、バイオマスエネルギー)
・荒れ地を利用した農業による収入増加(ジャトロファの栽培促進、買い取り、精油)
・小規模産業による収入増加(エイの皮(廃棄物)を使った工芸品作成・販売)
・廃棄物、排水処理(医療廃棄物処理装置の開発と普及)
・家庭レベルで行える水の殺菌・浄化法の普及と改良

など多岐にわたるようになりました。

アントンさんは、大学時代から
適正技術を使って都市から離れた地域の発展のために様々な活動を行ってきたそうです。

例えば、毎日10キロ歩いて水を汲みにいっているような山の上の集落に、水を供給するプロジェクト

私も先日行われたAPEXのツアーに参加して見に行ってきました。

集水地点1

山奥でした。。。結構急な坂道で、10キロも歩いて水を汲みにいくなんて想像つきません!

集水地点2

ディアン・デサの水供給プロジェクト担当の方の話によると、
山の上にある水源から、高低差を利用して水の分岐地点に水を送り、分岐地点よりも下にある集落に水を配っていくそうです。

上の2つの写真は、第一の分岐地点

下の写真では、水が2つの槽に分かれて流れているのがわかります。この水は、これから2つの方面に向かって流れていき、それぞれの目的集落に到着します。

この他にも水関連のプロジェクトでは、塩分を含んだ水を脱塩して飲料水に使うための研究なども行われています。

その他の活動では、エイの皮(廃棄物)を使った工芸品の生産工場もオフィスの近くにあり、

えい皮1

すてきな小物やバックに変身しています。

えい皮3

えい皮2

以前、この工場では、障害を持った方々を雇用していました。
不自由な人たちに対する社会的な意識や雇用の機会がまだまだ少なかったような時代から
活動をしていたとのことです。

ディアン・デサ財団の

ディアンは「ランプ」

デサは「村」

「村のランプ」です。

英語では

"Light of the village foundation"

日本語では

”村の灯(ともしび)”財団

でしょうか。

活動目的や、実際の活動でもみなさん感じられていると思いますが、ディアン・デサ財団の視線の先には

「困っている人たち」がいます。

どうして財団の名前をディアン・デサ財団にしたんですか?と聞いたところ

「財団を作った当初、都市部と田舎とはテクノロジーや知識にすごく差があったんだ。
田舎では先祖代々受け継がれてきてきた英知があるけれど、新しい知識や技術もどんどん生まれていた。
このため、生活スタイルやレベルもどんどん離れて行っていたんだ。

田舎と都会
ジャワとその他の小さな島々

ジャワ以外には昔は大学もなかったしね。知識を伝えるすべがなかったんだよ。

それで僕たちは、この差をうめる橋になりたいと思ったんだ。

人々に技術を教えることで、みんなに知識を与えて教化すること(Enlighten:啓発する、教化する、などの意味)。
それで田舎の人々の生活を豊かにしたいと思ったんだ。」

昔の(今もそうですが)貧しいインドネシアの村々。広い意味での教育という光で希望を与えたいという思いを込めて名前を付けられたんだなぁと思いました。

ディアン・デサ財団のロゴにはランプがあしらわれていますもんね(ディアン・デサ財団の入口の写真です!)

下の写真がアントンさんです。

パック・アントン¥

ディアン・デサ財団のスタッフにアントンさんってどんな人ですか?

と尋ねると、

「100年に一人か二人くらいしか出ない人だと思う!」

「とても頭が良くて、実行力もあるけど、決して自慢したりしない。人間的にも素晴らしい」

「フレンドリーで、とても丁寧な人。貧乏な人と話をする時も、
目上の人に話しかけるような丁寧な言葉で話しかけていたよ」
(ジャワ語には、言葉にもランクがあって、貧乏な人や目下の人に使う言葉、友達に使う言葉、目上の人に使う言葉、などがある)

と言っていました。

そして、こんなコメントも!

「アントンさんはカラオケが大好き!とってもうまいんだよ。学生の時は、バンドをやっていたんだ」

ディアン・デサ財団の人は、みんなパッ・アントン(インドネシア語でアントンさん、パッは男性につかう)のことが大好きです。

会議ではどんな話が聞けるのでしょうか
楽しみですね~

<APEX尾上>

コンポストの粉砕

下の写真ですが、

ホコリよけのマスクをつけた現地スタッフ

Ninja(ニンジャ)ではありません。

ジャトロファ・センターで出来上がったコンポストを販売するにあたり、畑で使用しやすいように粉砕して袋詰めしなければなりません。今、現地スタッフがコンポストの粉砕中で、ホコリよけのためにTシャツを頭にグルグル巻いているのです。

コンポストの粉砕1

細かく粉砕するので、砂ぼこりが周囲に舞います。

コンポストの粉砕2

先日の記事(ジャトロファの搾り粕からのコンポスト生産と評価)でコンポストの試験結果をご報告しましたが、現在はコンポスト試験結果の再現確認と施用量の最適化などを行いつつ、包装方法の検討を行なっています。

(APEX彦坂)

出版記念パーティーが開かれました

8月22日に『適正技術と代替社会-インドネシアでの実践から』(田中直著、岩波新書)が出版されたのを祝して、8月30日に田中の出版記念パーティーが開かれました。

会場は千駄ヶ谷の教弘会館にあるレストラン「ポポラーレ」です。
ビュッフェスタイルですが手の込んだメニューが並び、参加された皆さんも料理を堪能しているようでした。

パーティに参加されたのは、田中さんの会社時代に同僚だった方や、学生時代に共に汗を流したクラブの方、いつもご支援・ご協力して下さっている会員・ボランティアの方、これまでの活動でお世話になった方々などです。

それぞれの方が当時の田中さんとの思い出を聞かせて下さって、田中さんの意外なお話を聞くことができたり、今までの友情やAPEXとの固い絆を確かめ合ったりと、いかにAPEXと田中さんがたくさんの人たちに支えられて今日までの25年間を歩み続けてきたのかを知ることができました。

お花を贈る
(APEX事務局から花束贈呈)

この『適正技術と代替社会』には、田中さんが25年以上も追究してきた「これからの社会に求められる技術のありかた」が述べられていますが、哲学的な部分だけではなく、インドネシアでの実践面も大いに語られていて、その蓄積などからも適正技術論を展開させているのが特徴的です。本を読まれて参加された方は、テーマは難しいが分かりやすく書かれていると言います。

現地の人々とどのような喜び・協働・葛藤があり、そして必要とされる社会の在り方とは何なのか・・・。この本を通して、技術や国際協力に関心を持つ多くの人に「適正技術」の考え方が広く伝わっていき、一人一人が望ましい技術や開発のあり方などを追究しながら、よりよい社会を創るためのアクションを起こすきっかけになればいいと思います。

ボランティアメンバーと
(お祝いに駆けつけてくれたボランティアグループのみなさん)

会のラストには、大学の同じクラブの方々が部歌を披露して下さいました。(英語の歌詞だったので内容はあまり分かりませんでしたが)困難を乗り越えてゴールをめざせ、というような歌にのせ、文字通り田中さんにエールを送ってくださったのが感動的でした。

最後の最後までAPEXと田中さんを支えてくださる関係者の皆様の優しさ・温かさを実感することができた、とても感動的なパーティーになったと思います。ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

(APEX 岩崎)

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