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特定非営利活動法人APEX
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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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種子の買い取りとグリーンプラス募金

フローレス島では既に乾季に入り、雨が降ることも少なくなりました。雨季に入ってから結実が始まるジャトロファですが、乾季に入ってからも、しばらくの間(8月ごろまで)は実がなります。ただ、この時期は例年開花期にあたるためか、今月に入ってからは種子の収量が落ち込んでいます。今咲いている花が実となり、また種子収集量が増えることを期待しています。

そのような状況ですが、種子の買い取りのための村訪問は定期的に行なっています。

種子代を支払う現地スタッフ
種子代を支払う現地スタッフ

果実の殻剥き機を試す住民
先日紹介した果実の殻剥き機を試す住民

上の果実入れに果実を入れて、右側の取っ手を回すと下から殻と種子が出てくる
上の果実入れに果実を入れておき、右側にある取っ手を回すと下から殻から取り外された種子と殻が出てくる仕組みです。

果実の殻剥き機についての住民からの評判はよく、現在も増産中です。

また、1口5千円のご寄付で、植裁地に名前入りの札が立てられるジャトロファ・グリーンプラス募金も継続しています。

1口5千円のご寄付につき、1アール(100平方メートル)の植裁地を割り当て、そこに名前入りの立て札を立てるとともに、その中の木1本に名札を付けます。募金者の方には植栽後、結実時の2回、写真入りのレポートが送られます。

先日、その写真を撮ってきました。募金者の方には来週ぐらいにはお送りできるかと思われます。

ジャトロファ・グリーンプラス募金の立て札(結実後)

今後とも引き続き、ご支援いただければ幸いです。

(APEX彦坂)

運転開始後のトラブルシューティング@ランドゥングサリ地区

4月15~17日のプカロンガン市、テガール市への出張報告のつづきです。
15日はプカロンガン市のパンジャン・ウェタン地区への訪問 (パンジャン・ウェタン番外編)に引き続き、夜はランドゥングサリ地区の住民の皆さんとのミーティングでした。

今回の議題は、
1.井戸の汚染
2.電気代について

です。
現地協力NGO・ビンタリ財団のロビックさんが進行をつとめました。

はじめのことば

どうやら、「排水処理施設ができてから井戸水が汚染されている」と言っている人がいるようでした。

でも、これは少しおかしな話で、

トイレ排水を含めた家庭排水が、パイプできちんと処理施設に流れて処理されれば、
汚染は起こるはずがないんです。

おかしいなぁ、と思いつつ

「大丈夫ですよ、汚染はありませんよ」

と説明・太鼓判をしました。


電気代については、

「初めの説明では Rp.150,000(約1500円) くらいしか電気代かからなくて、毎日お金を集めても1家族当たり Rp.200(約20円) くらいだって言ってたのに、今は電気代が Rp.400,000(約4000円) で毎日 Rp.500 集めないといけないみたいだよ」

という住民からの質問でした。

これには実は理由があります。
それは、

1.ランドゥングサリ地区の排水量を実際に測定してみると、インドネシアの平均(0.5m3/家族・日)よりも多い、約1m3/家族・日になっていること。
理由を知るために聞き取り調査をしてみたところ、家庭内工業の洗浄廃水や、雨季の洪水のためらしいということがわかっています。

2.初めの説明では、ジョクジャカルタの例を挙げて説明しましたが、ジョクジャカルタでは処理施設の電気設備は回転円板の動力しかありません(回転円板とは?、回転円板の動画はこちら)。一方でランドゥングサリ地区では、地形的な問題から、処理水の放出にポンプアップが必要で、そのぶんの電気代がかかることになってしまいました。


3.ジョクジャカルタの回転円板を動かしているモーターは、電気の種類的に電気代を安くできる工業用のモーターを使っていました。建設当時(2008年)には、これしか売っていなかったようです。でも、この工業用モーターを家庭用の電源で使うためには、特別な装置が必要なのです。そして、その装置は高い(Rp.3,000,000、日本円で約3万円)うえに壊れやすいと。。。ジョクジャカルタと同じモーターを使うと、電気代は1か月間に約 Rp.100,000(約1000円)節約できますが。。ジョクジャカルタの2つのコミュニティのうち、1つは5年間で1回、もう1つは3回も壊れているとのことです。電気代の節約分のもとがとれるかは、はっきり言って「かけ」なレベルです。。

といったことです。

あと一つ付け足すと、実は初めの説明会では Rp.200~600と説明していましたが、
住民のみなさんは「安いほうだけ」覚えていたようです。心理的にはしょうがないですが(笑)

そんなようなことを説明しつつ、住民の皆さんも理解してくださったようです。

そとの様子

今回のミーティングにも、たくさんの人が参加してくださいました。

「電気代が高い」

と言われた時は「みなさん、施設の運転資金をはらってくれるかな」と心配しましたが、
住民のみなさんの理解のもと、うまくまとまりそうです。

。。。。。。。

今回の旅も、もうすぐ終わりだなー、と思っていた17日、事件がありました。
ミーティングの議題にもなっていた、「井戸の汚染問題」が突然新聞記事になっていたのです。

見出しに大きく「井戸が汚水で汚染」。。。

プロジェクトにとっては打撃です。
というか、どうしてこんなことになってしまったの?
という感じでしたが。。

それでも運よく新聞社の記者とコミュニティを回る機会をもつことができ、問題を訴えている住民のところを回りました。

みなさんの話を伺いながら、原因を明らかにするために配管などをチェックすると。。。
家のすぐそばに据え付けられているコントロール槽が。。。。

土で埋められています

本来は『槽』なのですが、開けてびっくり、、土で埋められていました。。。

台所排水、お風呂、トイレ排水→各家庭のパイプ→コントロール槽→公共のパイプ→。。。→処理施設

といった流れなので、コントロール槽が埋められてしまうと排水は詰まってしまいます。
この結果、どこからか排水が漏れ出して井戸水が汚染されたのかもしれません。

そして、もう1件。
こちらは割と簡単で、井戸の構造上の問題により井戸に砂が混じって濁っているだけでした。


一緒にコミュニティを回り、記者さんも理解してくれた様子。
最後に、処理施設の説明をしました。

直さん説明中

処理水がきれいになっている様子も見てもらいました。
左から未処理、嫌気処理前、嫌気処理後、回転円板による処理後の放出水です。

水質

次の日には、記事の誤りを修正する記事が掲載され、一安心です。

修正記事

「排水処理施設は汚染源ではあらず」
という見出しで、前日に見て回ったことや説明したことが書いてありました。

とりあえずよかったですが、予想もしないことが起こるものだなぁと思いました。


(尾上 保子)





プカロンガン市パンジャン・ウェタン地区の川の行方は?


4月15~17日まで、プカロンガン市、テガール市に行ってきました。

今回の目的は、

プカロンガン市では
1.新たなコミュニティ排水処理施設設置場所、パンジャン・ウェタンの町内会長さんに処理施設の配管について相談すること
2.すでに処理施設があるランドゥングサリ地区で住民のみなさんとのミーティング

テガール市では
1.地上化した回転円板(洪水で水没してしまったので、機械類を地上にうつしました)のチェックと、配管のチェック
2.新たなコミュニティ、スレロック(以前のところと名前は同じですが町内会は別)の住民の皆さんとのミーティング

でした。

そうそう、毎月、プカロンガン市、テガール市を訪問していますが、道のりはこんな感じです。
ジャワ島地図↓

whole+jawa_jakarta_convert_20130425140537.png
A:ジョクジャカルタ
B:プカロンガン
C:テガール

休憩時間も含めて、ジョクジャカルタ→プカロンガンが5~6時間
プカロンガン→テガールが2時間

といったところでしょうか。

遠い~。

さてさて、本題に移ります。
まずは、プカロンガン市のパンジャン・ウェタン地区で町内会長さんとうちあわせ。

家のわきの川

排水のどぶ川がコミュニティ脇を流れていますが、排水施設用の土地は川の向こう側です。なので、排水を施設に流すためには、どうしても配管が川を渡らなくてはいけません。
一番初めの設計では3回川をわたる設計でした。とても大変です。。。
なので、川沿いコミュニティ側に合流用の配管を通し、3つの配管からの排水がここで合流することによって1回ですませられないか。。という考えです。

家のわきを配管が通るということは、工事中は家のわきが掘削されます。
掘ってもだいじょうぶですか?という相談です。

説明するバキ

結果的には大丈夫そうとのこと。よかった~

ところで、
「この川は掃除されたりしますか?」

と質問すると、

「年に2回くらい掃除するよ。市が自主的に掃除してる。」

とのこと。

「そうなんですか。でも、川は流れていないみたいですね。」

「いやー、前は流れてたんだよ」

「え?そうなの?」

ということで、下流を見に行くことになりました。

川の様子です。きたないです。。。

きたない川

この川が、コミュニティのほぼ真ん中を流れているところもあるんですよ。
そして、どんどん進んで、やぶの中まで進みました。

どこまで続く

ここでも、住民の方に聞いてみると

「海の水がはいってこないように作った水門ができてから流れなくなったんだよ」

との情報が!
川下に、水門ができたようなのです。
少し離れているので、車で移動です。
そして、これが問題の水門。

ここまで

どうして水門ができたかと言うと、、

この周辺は海抜0mだそうで、満潮時には海水が川をさかのぼってくるらしいのです。
そのせいで周辺の川はあふれます。
私たちが訪問した時間は、ちょうど満潮近くでした。確かに、海沿いでは川が満タンになっているところもありました。
水門しまっているのに~~~。。。

そして、問題は、この水門が閉じっぱなしなこと。
完成は去年だったようですが、定期的に開けたり閉めたりされていないようです。
そりゃ、水が詰まるに決まっていますね。。

これは市政府になんとか対応してもらわないといけない事柄なので、報告です。
でも、最後まで見に行かないとわからなかった新事実。

何事も、行ってみないとわからない!!

ということを学びました!

ちょと長くなりそうなので、今回はとりあえずここまです。

つづく。。。


<尾上保子>

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