「適正技術人材育成研修」初級コース 講義 第3回
7/27(土)14:30-「適正技術人材育成研修」の講義第3回を行いました。
今回は「バングラデシュにおける持続可能な雨水利用システムの構築」と題し、
株式会社天水研究所(あまみずけんきゅうじょ)代表取締役の村瀬誠様にお話を伺いました。

村瀬様は東京都の墨田区において、長年雨水の利用(当初は洪水対策)の提案、実践し続けて来られ、退官後はさらに積極的に世界での雨水=天水の利用に携わっておられます。
(墨田区のサイトには、雨水関連ページがあり、条例等も設けられているのを見ていただけます。)
現在は、株式会社天水研究所を立ち上げ、主にバングラデシュで雨水利用のためのBOPビジネスを実践されながら、東邦大学の客員教授として教鞭も取られています。
バングラデシュでは、ほぼ全土に渡って天然のヒ素が土壌に含まれており、井戸はヒ素に汚染されています。従来、国際機関やNGO等はそのことを知らず、ため池や川の水を飲み水にせず、井戸を掘り、その水を飲むことを勧めてきたため、今でも全土でヒ素による害が出ているとのことです。
村瀬様はバングラデシュの状況を知ってすぐ、雨水の利用を国際機関等に訴え、ご自分でも現地NGOを立ち上げて、雨水利用のための啓蒙とタンクの普及を行ってこられました。
当初はNGOという形であった雨水利用の推進でしたが、現地で企業を立ち上げ、タイの大型の貯水用の甕の技術を導入した、現地の人たちが購入可能な価格のタンク(甕)の製造と販売方法を開発し、真の、現地の人たちの経済の中に組み込まれるBOPビジネスを展開されつつあります。
事業規模は徐々に伸びており、少しずつ展開地域を広げ、雇用を生み出しています。
そして、全土に、ひいてはバングラデシュ以外でも、雨水の利用が進むべく日々活動をされています。
現地法人Skywater Bangladeshのミッションは次の通りです。

今回の講義で印象に残った点が何点かありました。
まず、雨水の利用を謳うのであれば、と、村瀬様自身の日本のご自宅でも、基本的に生活用水を雨水で賄われている点が印象に残りました。単純に途上国支援といった以上に、「天水」の利用への信念をお持ちであり、また、ご自分が信じられているからこそ、途上国とされる国々でも展開をされているのだと感じました。
次に、言葉を非常にうまく使っていらっしゃる点です。
日本語の、雨水=天水、だけでなく、rain water = sky waterというネーミングをされたり、タンクが普及するには、affordable,sustainable,ownershipがあることだ、と短くまとめられており、広がりやすいようにセンス良く工夫を凝らされているのが、素晴らしいなと思いました。
そして、視野の広さ、見聞の広さも印象に残りました。
タイに貯水用の甕を自分たちで作って、利用している人たちがあることは、普段から広く情報に集めたり、触れておられたためにご存知であったことであって、なかなかすぐに行きつける情報ではないと感じました。
今回は、大変ご多忙な中、代表田中との再会と、研修参加者のために、と、ご講義いただけ、本当によい機会をいただきました。
(APEX 青山)
今回は「バングラデシュにおける持続可能な雨水利用システムの構築」と題し、
株式会社天水研究所(あまみずけんきゅうじょ)代表取締役の村瀬誠様にお話を伺いました。

村瀬様は東京都の墨田区において、長年雨水の利用(当初は洪水対策)の提案、実践し続けて来られ、退官後はさらに積極的に世界での雨水=天水の利用に携わっておられます。
(墨田区のサイトには、雨水関連ページがあり、条例等も設けられているのを見ていただけます。)
現在は、株式会社天水研究所を立ち上げ、主にバングラデシュで雨水利用のためのBOPビジネスを実践されながら、東邦大学の客員教授として教鞭も取られています。
バングラデシュでは、ほぼ全土に渡って天然のヒ素が土壌に含まれており、井戸はヒ素に汚染されています。従来、国際機関やNGO等はそのことを知らず、ため池や川の水を飲み水にせず、井戸を掘り、その水を飲むことを勧めてきたため、今でも全土でヒ素による害が出ているとのことです。
村瀬様はバングラデシュの状況を知ってすぐ、雨水の利用を国際機関等に訴え、ご自分でも現地NGOを立ち上げて、雨水利用のための啓蒙とタンクの普及を行ってこられました。
当初はNGOという形であった雨水利用の推進でしたが、現地で企業を立ち上げ、タイの大型の貯水用の甕の技術を導入した、現地の人たちが購入可能な価格のタンク(甕)の製造と販売方法を開発し、真の、現地の人たちの経済の中に組み込まれるBOPビジネスを展開されつつあります。
事業規模は徐々に伸びており、少しずつ展開地域を広げ、雇用を生み出しています。
そして、全土に、ひいてはバングラデシュ以外でも、雨水の利用が進むべく日々活動をされています。
現地法人Skywater Bangladeshのミッションは次の通りです。

今回の講義で印象に残った点が何点かありました。
まず、雨水の利用を謳うのであれば、と、村瀬様自身の日本のご自宅でも、基本的に生活用水を雨水で賄われている点が印象に残りました。単純に途上国支援といった以上に、「天水」の利用への信念をお持ちであり、また、ご自分が信じられているからこそ、途上国とされる国々でも展開をされているのだと感じました。
次に、言葉を非常にうまく使っていらっしゃる点です。
日本語の、雨水=天水、だけでなく、rain water = sky waterというネーミングをされたり、タンクが普及するには、affordable,sustainable,ownershipがあることだ、と短くまとめられており、広がりやすいようにセンス良く工夫を凝らされているのが、素晴らしいなと思いました。
そして、視野の広さ、見聞の広さも印象に残りました。
タイに貯水用の甕を自分たちで作って、利用している人たちがあることは、普段から広く情報に集めたり、触れておられたためにご存知であったことであって、なかなかすぐに行きつける情報ではないと感じました。
今回は、大変ご多忙な中、代表田中との再会と、研修参加者のために、と、ご講義いただけ、本当によい機会をいただきました。
(APEX 青山)
国際協力人材セミナー in 東京
「開発とNGO」研究会と「適正技術人材育成研修」中級コース
7/7(日)に、「開発とNGO」研究会と「適正技術人材育成研修」中級コースのミーティング第2回を開催しました。
現在、「適正技術人材育成研修」中級コースのミーティングは、「開発とNGO」研究会の前約1時間半で行われています。西カリマンタン州におけるバイオマスのワイズユースを中心に、プロジェクト形成のステップが進んでいます。

大半が社会人の方で、学生の方も研究等に多忙な中、ミーティングの時間も限られるため、毎回宿題を持ち帰って調査を進めています。みなさんのそのアクティブさに、私も業務を頑張らねばと毎回パワーをいただいています。
ミーティングに続き、「開発とNGO」研究会の第2回を開催しました。

前回のテキストは、W.H.マクニールの「世界史」の上巻全て、と、膨大な量したが、今回は下巻の一部ということで、参加者の方も少し余裕をもって検討ができたかと思います。
今回は、普段のお仕事とも絡めた実感のこもったコメントをいただき、参加者全員がより身近なこととして「技術」について考える雰囲気を提供してくださいました。
(APEX 青山)
現在、「適正技術人材育成研修」中級コースのミーティングは、「開発とNGO」研究会の前約1時間半で行われています。西カリマンタン州におけるバイオマスのワイズユースを中心に、プロジェクト形成のステップが進んでいます。

大半が社会人の方で、学生の方も研究等に多忙な中、ミーティングの時間も限られるため、毎回宿題を持ち帰って調査を進めています。みなさんのそのアクティブさに、私も業務を頑張らねばと毎回パワーをいただいています。
ミーティングに続き、「開発とNGO」研究会の第2回を開催しました。

前回のテキストは、W.H.マクニールの「世界史」の上巻全て、と、膨大な量したが、今回は下巻の一部ということで、参加者の方も少し余裕をもって検討ができたかと思います。
今回は、普段のお仕事とも絡めた実感のこもったコメントをいただき、参加者全員がより身近なこととして「技術」について考える雰囲気を提供してくださいました。
(APEX 青山)
RISTEX 「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域 4Eサロン
7/4(木)に科学技術振興機構(JST)東京本部別館で開催された、JST社会技術研究開発センター(RISTEX)「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域4Eサロンに、代表の田中が話題提供者として参加しました。
この研究開発領域は、APEXのバイオマス事業にご協力をいただいている堀尾正靱氏(龍谷大学政策学部 教授/東京農工大学 名誉教授)が総括を務められているもので、今回は「近代の作り直し、スマートコミュニティ実現に必要な「適正技術」ないし「適性技術」の概念」と題してサロンが開催されました。

4Eサロンは、セミナーではなく、議論をする場とされており、田中と堀尾氏から「適正技術」について話題提供をし、中島 秀人氏(東京工業大学大学院 社会理工学研究科 教授)がコメントをされ、その後70分にわたり、議論の時間となりました。
参加者のみなさまは、「適正技術」という概念の理解はもちろんですが、その普及と実践に興味を強くお持ちでした。また、危機感ともいえる感覚を持って同様の取り組みを広めようとされており、議論は大変白熱しました。
(APEX 青山)
この研究開発領域は、APEXのバイオマス事業にご協力をいただいている堀尾正靱氏(龍谷大学政策学部 教授/東京農工大学 名誉教授)が総括を務められているもので、今回は「近代の作り直し、スマートコミュニティ実現に必要な「適正技術」ないし「適性技術」の概念」と題してサロンが開催されました。

4Eサロンは、セミナーではなく、議論をする場とされており、田中と堀尾氏から「適正技術」について話題提供をし、中島 秀人氏(東京工業大学大学院 社会理工学研究科 教授)がコメントをされ、その後70分にわたり、議論の時間となりました。
参加者のみなさまは、「適正技術」という概念の理解はもちろんですが、その普及と実践に興味を強くお持ちでした。また、危機感ともいえる感覚を持って同様の取り組みを広めようとされており、議論は大変白熱しました。
(APEX 青山)