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特定非営利活動法人APEX
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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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バティック排水をなんとかしなきゃ!

現在のプロジェクトではコミュニティ排水処理に焦点を当てていますが、
プカロンガン市など、バティック産業がさかんな地域では
バティック排水の処理ができないか、という声を何度も聞いてきました。

あんまりいい例ではないですが。。。バティック柄↓です!
私の携帯入れ(笑)友達にもらいました

batik.jpg

バティックは、インドネシアの伝統的な染物で、洋服はもちろん、バッグ、靴、など
イロイロな物に使われています。

現在、バティック染色排水はその多くが未処理のまま川などに放出されています。
このため、染色工場からの排水でチョコレート色になっている川もあります。

kawa.jpg

APEXでは、現在おこなっているコミュニティ排水処理プロジェクトの前に、
バティック排水を含んだ、中小産業排水処理技術の開発を行ってきました。

技術的にまだ改善の余地はありますが、プカロンガン市などから寄せられている
要望に応えられるものです!

一般的にバティックの染色過程には、様々な化学合成物質が使われており、微生物
の力のみで分解するには難しい物質も含まれています。
このため、生物が分解できない物質は、薬品を使って沈殿させたり、または活性炭
にそれらの物質を吸収させたりして取り除きます。

ところが、薬品や活性炭を使って排水を処理し続けるにはコスト面から大変です。

どうしたらいいかな~。。。

と考えていた矢先でした!
あるインドネシアのNGO団体の方がジョクジャのPUSTEKLIMを訪問され、

「木材を再利用するために炭を作っているんだけど、それを使って一緒に
何かできないかな」

という話が!
活性炭ではないですが、この炭を使ってなにかできないだろうか?
となったわけです。

このアイディアは、現在APEXで行われている「適正技術人材育成研修(中級コース)」
プロジェクト化が検討されています。
研修は日本で行われていますが、私もインドネシアで実験のお手伝いをすることに
なりました。

次回は、実験についてご報告します!!



(APEX 尾上)




東ヌサトゥンガラ州内県知事のジャトロファ・センター来訪

11月13日(水曜日)、いつもは静かな田舎にあるジャトロファ・センターが賑やかな様相を呈しました。

東ヌサトゥンガラ州内のほとんどの県の県知事、
その他の付き添いの方々で総勢40名ほどが来訪されたからです。

乗り合わせてきた車は約20台。
ジャトロファ・センターのある、ディアン・デサ財団所有の農園内ではおさまらなかったほどです。

その日はジャトロファ事業とディアン・デサ財団の行う衛生事業の2つ(メインはジャトロファ事業とのこと)を視察に来られたそうです。

訪問の連絡はその前の土曜日(4日前)に初めて知らされたものですが、
他の用事でたまたま現場へ来ていたため、代表の田中が事業について説明しました。

県知事の来訪2

県知事の来訪1

参加者の方の関心は高く、田中の他にも一緒にいた現地スタッフに多くの質問を尋ねていました。
今後、ジャトロファの栽培の普及につながることを期待します。

(APEX彦坂)

コンポストの大量受注

久しぶりのジャトロファ事業報告となり、申し訳ありません。フローレス島ではもう乾季も終わりに近づき、既に何回か雨が降りました。例年ですと、12月ごろから雨季になります。最近はジャトロファの収穫量もほとんど無くなりましたが、種子買い取り拠点の巡回は引き続き行っており、現在はジャトロファの新規の植裁や既存の木の枝の剪定などを住民に促しています。

葉が枯れ始めたジャトロファ
葉が枯れ始めたジャトロファ

つい、数日前にはYEUというNGOから搾り粕のコンポスト1,300袋(2.6トン)もの注文がありました。数ヶ月前に火山が噴火したパルエ島の農民に配布するそうです。パルエ島では噴火の際に多くの畑が火山灰で覆われてしまいましたが、ジャトロファのコンポストが農産物の増産に役立てば幸いです。しかし、注文は受けたものの、コンポストの在庫数が600袋(1.2トン)程度しかないため、現在、急いで追加生産を行っています。コンポストの生産を早めるという微生物入りの液体(EM4)も試験的に導入を開始しました。

出荷を待つコンポスト
出荷を待つコンポスト

今週の水曜日には、東ヌサトゥンガラ州内の全県知事らがジャトロファ・センターを訪問する予定です。関係者も入れれば、40~70名ほどになるのではないかと言われています。その模様はまた後程お知らせします。

(APEX彦坂)

12/12(木)-14(土) 「エコプロダクツ2013」に出展します

APEXは、日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ」に今年も出展します。

エコプロダクツは、企業だけでなく、自治体、研究機関、NPO/NGO等の様々な出展者の
環境関連商品や、環境への取組みを一度に知ることができる展示会です。
ビジネスや実用のための展示はもちろん、子どもたちの社会見学等での来場にも積極的で、
それに合わせた展示も用意されています。

APEXのブースでは、活動紹介のほか、
活動地などのインドネシアの工芸品も販売します。
会場にお越しの際は、是非APEXのブースにもお立ち寄りください!
(ブースはNPO・NGOコーナー(東4・5ホール)内、N12です。)

『エコプロダクツ2013』
開催日時:2013年12月12日(木)-14(土) 10:00-18:00
     ※最終日14(土)は17:00まで
会場:東京ビッグサイト 東1~6ホール
主催:(一社)産業環境管理協会、日本経済新聞社
入場料:無料
http://eco-pro.com/eco2013/index.html

コミュニティ排水処理技術 国際セミナー@ジョクジャカルタ

10月17、18日と「国際セミナー:コミュティ排水処理適正技術―技術選択の多様化」
をジョクジャカルタで開催しました!

インドネシア政府の排水処理関連部署の官僚や、大学の先生、研究所の先生などを講師に招き、
日本からも、香川高等専門学校の多川先生をお招きして盛大に開催されました!

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開会の挨拶では、ジョクジャカルタの王様(!)をお招きしましたが、お子様の結婚式の準備で
忙しいとのことで、代理の方が見えました。

挨拶の後、少しお話ししましたが「私は、日本に留学していたんだよ。広島大学でした。」と
流暢に話されてびっくりでした!

今回のセミナーには、コミュニティ排水処理施設建設をすすめる地方政府や中央政府の関係者を
インドネシア中から招き、約80名の方々がいらっしゃいました。

講師には、去年の12月に行った排水処理適正技術研修でも講演してくださったおなじみの中央
政府関係者の方も。

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参加者のみなさんも、熱心に聞いてました。

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実は、インドネシアの中央政府のコミュニティ排水処理施設建設プロジェクトでの技術選択肢というのは
実際1つだけ(嫌気性処理)。なので、政府関係者の方々の発表では、

「狭い土地しか確保できないところでは、処理施設が作れないんです」

といった意見も出されていました。

そんな中、APEXの技術では、〝狭い土地でも処理施設が作れ、処理水質も良い”
ということで、結構インパクトがあったようです。

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そして、日本からのお客様、多川先生の講演では、日本の水質汚染についてや、
特にうどんが大好きな香川県では、うどんの茹で汁(意外かもしれませんが、
うどんの茹で汁ですら川などの汚染を引き起こします)をきちんと処理する
必要があることや、ご自身の開発された方法で処理した結果などをご紹介いただきました。

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また、同じ方法をつかってインドで行ったプロジェクトの様子なども紹介してくださいました。
私自身、いろんな方法があるんだなぁと感心しました。


そして、次の日は現場見学です!

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ジョクジャカルタのコミュニティ排水処理施設がある、おなじみのクリチャック地区。
細い道が見学者で一杯になってしまいました(笑)

つづいて、スクナン地区でも見学。説明図があるボードの写真をとる方もいました。

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会場に戻ってからは、大学の若手の先生による講演。
嫌気処理ですが、微生物の塊を作ることによって処理効率を上げることができたUASB法という
技術について講演いただきました。

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そして、パネルディスカッションです。
講演者の皆さんが、それぞれの考えをのべるとともに、会場からの意見や質問に
答えました。

「コミュニティ排水処理の方法にはいろいろなものがあることがわかったよ」

といった感想や

「コミュニティの人たちに理解してもらうためにはどうするか?」
「今回いろいろな情報を得たけど、具体的にどのようにしたらわが地域ではできるかな?」

などの質問もありました。

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上の写真、みんな笑顔ですがその理由は。。。
実は、配布資料の排水処理適正技術マニュアルに多川先生の数年前の写真がのっているんです!

「このときは、0.◎トンだったけど、今は0.◎※トンになってしまったんです」

と、ご自分でユーモアをこめて紹介されたことに対して盛り上がったのでした(笑)




いろいろ準備で大変でしたが、あっという間にセミナーは終わりました。
でも、ある地方政府の方は

「うちでコミュニティ排水処理研修をやってくれないかな?」

「どうしたらAPEXの方法をつかって処理施設が建設できるかな?」

といった嬉しい提案や質問をしてくれる方もいました。
ここで作ったつながりを、また次につなげていかなくては!!



(APEX 尾上)



10/27(日) 適正技術人材育成研修中級コースミーティング、「開発とNGO」研究会 第5回

10/27(日)は
・「適正技術人材育成研修」の中級コースミーティング(13:00-14:30)と、
・「開発とNGO」研究会/第5回(14:45-18:00)を
JICA地球ひろば(市ヶ谷)の会場をお借りして実施しました。

「適正技術人材育成研修」の中級コースは、
西カリマンタン島での炭を利用したプロジェクト形成に取り組んでいて、
発電システムの開発と排水処理への炭の応用を検討しています。

今回は前回からの間に、
炭の活性が塩水でも上げられるという論文の再現実験を行ったグループの報告と、
炭を使った発電システムの今後、助成金への申請の具体的な検討等を行いました。

再現実験の結果は、結論から言えば、よくありませんでしたが、
取り組んでいる論文の実験条件に不明な部分が多く、
また今後も実験を続けて、今回の論文の内容に限らず、
排水処理に使うのに良い結果の出る炭の条件を探していこうということになりました。

今回の実験では、みなさんお忙しい中を、実験準備と、実験をしながら発見する問題等への対応を含めて、
平日夜間に大学ラボ(参加者の方の自主調達)等で実験をされています。
ご苦労もあるかと思いますが、よい発見につながるとよいなと思います。

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中級コースの後は、同研修の初級コースの一部ともなっている「開発とNGO」研究会の最終回を開催しました。

今年の研究会では、ウィリアム・マクニールの「世界史」を読み進めて来ましたが、
最終回の今回はE.F.シューマッハーの「スモール・イズ・ビューティフル―人間中心の経済学―」をテキストとし、
過去に続くこれからの社会のあり方について考察しました。

最終回でもあった今回ですが、「世界史」を読むことで、世界を立体的に、意味を持って捉えなおしたり、自分たち自身がどういった流れの中にいるのかを見直し、「スモール・イズ・ビューティフル」で現状の問題打開のための代案を見ることができた、といった声が多かったと思います。

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来年度の研究会は、また別のテーマで実施の予定で、詳細が決まりましたら、こちらもお知らせしていきます。

※10/26(土)に実施予定となっていた、
第178回APEXセミナー(「適正技術人材育成研修」講義の第5回目としても開催)
「途上国に適合的な風力による発電・揚水技術の開発と適用」は、
台風のため、11/30(土)に改めて開催となりました。
詳細は、こちらからどうぞ。

(APEX 青山)

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