ココナッツ・オイルの試験的生産開始
以前、アパ・カバール? 副業としてのココナッツオイルの生産と ココナッツオイルの搾油という記事で、ココナッツ・オイルの生産を検討していることをお伝えしました。
その後、しばらくはジャトロファ事業に集中していたため、ココナッツ・オイルの生産は一時中断されていましたが、8月ごろからコプラ(ココナッツの果肉を乾燥させたもの)の買い取りと搾油を再開しました。ところが、出来たオイルは色が前回のオイルよりも品質が悪く、色も黄色く、臭いも強いものとなりました。
昨年の試験では協力先団体のディアン・デサ財団から買い取ったコプラを使用しましたが、今回は一般の農民から買ったコプラを使用しており、おそらく品質の良くないコプラも混ざっていたことが原因と思われました。品質の良いオイルを得るためには、品質の良いコプラを用いなければならないようです。

品質のよくないコプラを使用して得られたココナッツ・オイル

昨年の搾油で得られた品質のよいココナッツ・オイル
そのため、その次の搾油では、ディアン・デサ財団から選りすぐりのコプラを分けてもらい、オイルをしぼりました。その結果、やはり昨年のオイルと同様に品質の良いものが得られたのです。

搾油機から出てくるココナッツ・オイル

コプラを搾った後の搾り粕
搾油の際の副産物である搾り粕は、家畜(主に豚)用の飼料として販売しています。水でふやかすと量が増え、食欲旺盛な豚に最適とのこと。ココナッツ・オイルに興味を持って買いたいと言ってくる人や協業に関心のある団体が出るなど、まだ試験生産的な段階ですが、今後の展開に期待が持てます。
(APEX彦坂)
その後、しばらくはジャトロファ事業に集中していたため、ココナッツ・オイルの生産は一時中断されていましたが、8月ごろからコプラ(ココナッツの果肉を乾燥させたもの)の買い取りと搾油を再開しました。ところが、出来たオイルは色が前回のオイルよりも品質が悪く、色も黄色く、臭いも強いものとなりました。
昨年の試験では協力先団体のディアン・デサ財団から買い取ったコプラを使用しましたが、今回は一般の農民から買ったコプラを使用しており、おそらく品質の良くないコプラも混ざっていたことが原因と思われました。品質の良いオイルを得るためには、品質の良いコプラを用いなければならないようです。

品質のよくないコプラを使用して得られたココナッツ・オイル

昨年の搾油で得られた品質のよいココナッツ・オイル
そのため、その次の搾油では、ディアン・デサ財団から選りすぐりのコプラを分けてもらい、オイルをしぼりました。その結果、やはり昨年のオイルと同様に品質の良いものが得られたのです。

搾油機から出てくるココナッツ・オイル

コプラを搾った後の搾り粕
搾油の際の副産物である搾り粕は、家畜(主に豚)用の飼料として販売しています。水でふやかすと量が増え、食欲旺盛な豚に最適とのこと。ココナッツ・オイルに興味を持って買いたいと言ってくる人や協業に関心のある団体が出るなど、まだ試験生産的な段階ですが、今後の展開に期待が持てます。
(APEX彦坂)
現地研修
11月10日から12日までの3日間、SATREPS事業で初めての現地研修が開催されました。

インドネシアの大学院、研究機関、企業などから30名ほどが集まり、ガス化技術やメタノールをはじめとする
バイオマス燃料についての講義を受けました。
もちろん、外部から講師も呼びます。
今回は、バンドン工科大学(ITB)という、工学系の大学ではインドネシアで一番ともいわれる名門大学の教授が講師として参加しました。

BPPTのスタッフも入れると総勢50名ほど。
第1回目としては、まずまずといったところでしょうか。


直さんも、群馬大学の野田先生も、講師として講義されました。
実りある研修になるよう、毎年改良していきたいと思います~
(APEX・河合)

インドネシアの大学院、研究機関、企業などから30名ほどが集まり、ガス化技術やメタノールをはじめとする
バイオマス燃料についての講義を受けました。
もちろん、外部から講師も呼びます。
今回は、バンドン工科大学(ITB)という、工学系の大学ではインドネシアで一番ともいわれる名門大学の教授が講師として参加しました。

BPPTのスタッフも入れると総勢50名ほど。
第1回目としては、まずまずといったところでしょうか。


直さんも、群馬大学の野田先生も、講師として講義されました。
実りある研修になるよう、毎年改良していきたいと思います~
(APEX・河合)
APEX通信第78号を発行しました
APEX広報担当の塩原です。
2015年11月号としまして、APEX通信第78号を発行いたしましたので、ご案内いたします。
今号では、炭素固定と植物の生育促進を兼ねたプロセスへの展望が開けてきたバイオマスガス化・液体燃料生産(SATREPS)事業、草の根技術協力事業としては終盤を迎えたコミュニティ排水処理事業、自立に取り組むジャトロファ事業など、海外事業の進捗を報告しています。また、適正技術人材育成研修から派生し、2015年3月から開始した、無電化村における炭のガス化事業の紹介もしています。

●バイオマスエネルギー事業の新しい展望
再生可能エネルギー生産・炭素固定・植物の生育促進を兼ねたプロセスへ
●コミュニティ排水処理事業報告
いよいよ終盤へ
●ジャトロファプロジェクト報告
種子の収集量増加策、副業としてのココナッツ・オイル・ビジネス
●新規事業紹介
インドネシア西カリマンタン州の無電化村における炭のガス化発電
●国内活動
適正技術人材育成研修・「開発とNGO」研究会
●第38回関西APEXセミナー「変化するアジア社会とNGOの役割」
●会員の広場 /APEX Topics & Information
会員のみなさまには、すでに発送させていただきましたので、どうぞお手に取ってご覧ください。
次号79号は、2016年2月頃の発行を予定しております。
紙面のリニューアルに向けて鋭意準備中ですので、どうぞご期待ください。(塩原)
**************************
その他、メールマガジンやFacebookでも情報を配信しています。
よろしければご登録やイイネ!をお願いします。
メールマガジンの登録は→こちら
Facebookページは→こちら
2015年11月号としまして、APEX通信第78号を発行いたしましたので、ご案内いたします。
今号では、炭素固定と植物の生育促進を兼ねたプロセスへの展望が開けてきたバイオマスガス化・液体燃料生産(SATREPS)事業、草の根技術協力事業としては終盤を迎えたコミュニティ排水処理事業、自立に取り組むジャトロファ事業など、海外事業の進捗を報告しています。また、適正技術人材育成研修から派生し、2015年3月から開始した、無電化村における炭のガス化事業の紹介もしています。

●バイオマスエネルギー事業の新しい展望
再生可能エネルギー生産・炭素固定・植物の生育促進を兼ねたプロセスへ
●コミュニティ排水処理事業報告
いよいよ終盤へ
●ジャトロファプロジェクト報告
種子の収集量増加策、副業としてのココナッツ・オイル・ビジネス
●新規事業紹介
インドネシア西カリマンタン州の無電化村における炭のガス化発電
●国内活動
適正技術人材育成研修・「開発とNGO」研究会
●第38回関西APEXセミナー「変化するアジア社会とNGOの役割」
●会員の広場 /APEX Topics & Information
会員のみなさまには、すでに発送させていただきましたので、どうぞお手に取ってご覧ください。
次号79号は、2016年2月頃の発行を予定しております。
紙面のリニューアルに向けて鋭意準備中ですので、どうぞご期待ください。(塩原)
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「問題発掘・解決型」から「ポテンシャルを活かす」技術へ―第186回APEXセミナーにて
10月31日(土)に、第186回APEXセミナー「地域資源や在来知を生かした実践技術をつくる―西アフリカ半乾燥地での砂漠化対処の取り組みから―」がJICA地球ひろば(市ヶ谷ビル)にて行われました。

今回ご登壇いただきました総合地球環境学研究所の田中樹氏とは、2014年の日立環境財団・日刊工業新聞社主催第41回環境賞の表彰式にてお会いしたのがきっかけです。(APEXはコミュニティ排水処理事業で優秀賞、田中先生のプロジェクトは同賞・環境大臣賞を受賞。詳しくは2014年5月20日の日刊工業新聞記事をご覧ください。)
今回のご講演では、まず「砂漠化」の定義や、これまでの砂漠化対処技術などの背景についてご説明いただいたのち、田中先生がプロジェクトで開発した「耕地内休閑システム」について、その技術内容などをご紹介をいただきました。
講演の中で私が印象的に感じたのは、「砂漠化」に対する一般的な知識やイメージの多くが、間違った認識だという指摘です。日本語における「砂漠化」は、本来、英語などでははっきりと区別されるはずの"Desertization"=気候的要因による砂漠の広がりと、"Desertification"=人間活動による荒廃地の広がりとが混合されており、国際的な砂漠化対処条約における「砂漠化」は明確に後者であるにも関わらず、日本ではいまだに前者の認識が強く、そこから、砂漠=荒廃地という間違った認識がされているとのことでした。
「砂漠化」が人間活動による荒廃地の広がりであるという認識に立つと、住民が生きるために必要な活動が、同時に土地の荒廃を引き起こしているという現実が見えてきます。例えば、植林や石堤などの代表的な砂漠化対処技術も、それに一定の科学的な合理性があったとしても、住民の生活との親和性がなければ、それが持続的に行われていくのは難しいということです。
自戒も込めて、という前置きから、「研究者はこれまでの『問題発掘・解決型』の発想から、身近な『ポテンシャルを活かそう』とする発想へと転換するべき」というお話があり、私には、それが今回の講演においてとても象徴的な言葉のように思えました。それは、まさに「現場」で起こっている環境の問題に、現地の住民とともに向き合いながら研究を重ねられてきた田中氏の研究への姿勢であるとともに、ひとつの哲学のようにも感じられました。
懇親会では、2次会までお付き合いいただき、楽しくも刺激的なお話をたくさんしてただきました。田中先生には、この場を借りて感謝いたします。
次回のAPEXセミナーは、12月6日(日)に、「持続可能な日本の未来と地域の胎動」と題し、日本各地のさまざまな取り組みをルポルタージュしてきたジャーナリストの大江正章氏より、それぞれの地域の実践と、持続可能な日本の未来についてお話を伺います。(セミナーお申込み/詳細はこちらから)
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
(塩原)

今回ご登壇いただきました総合地球環境学研究所の田中樹氏とは、2014年の日立環境財団・日刊工業新聞社主催第41回環境賞の表彰式にてお会いしたのがきっかけです。(APEXはコミュニティ排水処理事業で優秀賞、田中先生のプロジェクトは同賞・環境大臣賞を受賞。詳しくは2014年5月20日の日刊工業新聞記事をご覧ください。)
今回のご講演では、まず「砂漠化」の定義や、これまでの砂漠化対処技術などの背景についてご説明いただいたのち、田中先生がプロジェクトで開発した「耕地内休閑システム」について、その技術内容などをご紹介をいただきました。
講演の中で私が印象的に感じたのは、「砂漠化」に対する一般的な知識やイメージの多くが、間違った認識だという指摘です。日本語における「砂漠化」は、本来、英語などでははっきりと区別されるはずの"Desertization"=気候的要因による砂漠の広がりと、"Desertification"=人間活動による荒廃地の広がりとが混合されており、国際的な砂漠化対処条約における「砂漠化」は明確に後者であるにも関わらず、日本ではいまだに前者の認識が強く、そこから、砂漠=荒廃地という間違った認識がされているとのことでした。
「砂漠化」が人間活動による荒廃地の広がりであるという認識に立つと、住民が生きるために必要な活動が、同時に土地の荒廃を引き起こしているという現実が見えてきます。例えば、植林や石堤などの代表的な砂漠化対処技術も、それに一定の科学的な合理性があったとしても、住民の生活との親和性がなければ、それが持続的に行われていくのは難しいということです。

懇親会では、2次会までお付き合いいただき、楽しくも刺激的なお話をたくさんしてただきました。田中先生には、この場を借りて感謝いたします。
次回のAPEXセミナーは、12月6日(日)に、「持続可能な日本の未来と地域の胎動」と題し、日本各地のさまざまな取り組みをルポルタージュしてきたジャーナリストの大江正章氏より、それぞれの地域の実践と、持続可能な日本の未来についてお話を伺います。(セミナーお申込み/詳細はこちらから)
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
(塩原)