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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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【ご報告】第3回研究会『日本低炭素社会のシナリオ』

6月6日に行われた第3回「開発とNGO」研究会では、『日本低炭素社会のシナリオ-二酸化炭素70%削減の道筋―』を取り上げました。

本書は、環境省の「脱温暖化2050プロジェクト」に基づくもので、今後、計画的に削減に必要な技術を取り入れていけば、2050年までに70%の二酸化炭素を削減することができることを、整合性のあるシナリオで科学的に示しています。

第1、2回の研究会で取りあげた著作が、主に人間観、社会観、世界観の確立といった側面から社会のあり方について論じているのに対して、この著作では、科学技術の進展や社会システムの変換という側面が強いように思われます。

本書で描かれている未来の社会像は、前回までの2作のような洞察に基づくものと視点が異なっており、指標の一つにGDPの成長率が上げられていることなどが議論の的ともなりました。二酸化炭素を削減するためのシナリオであり、膨大なシュミレーションデータに基づく推論で実現可能性に説得力は感じましたが、シュミレーションでどこまで望ましい将来像を描けるかが気になります。一方で、前2作は、より具体的な道筋という点に弱さがあり、これらが融合したようなものなら、より説得力のある将来像を描けるのではないかと思われました。

ちなみに、副読本で取りあげた「炭素会計入門」では、環境問題を哲学の問題と捉えて、二酸化炭素削減に効果的な方法論も提示しつつ、政策や望ましい国際的な関係などについても論じている点で、上記の融合に近づくもののようにも思えました。

フリーディスカッションでは、低炭素型で豊かな社会をつくるには、上から(行政主導の政策)のもののほかに、下から上がってくるような(社会学、哲学を原動力としている、または市民運動のような)ものも必要であり、下からの動きが推進力になるようになるにはどうしたらいいかなども話し合われました。
また、今回は、温室効果ガスに焦点を当てているが、低炭素社会を築くことが豊かな社会を築くことになるか、という点でもさまざまな意見が出されました。

さて、第4回目の「開発とNGO」研究会は、7月4日(日)14:00~17:00、APEX東京事務所で行います。途中からでも参加できますので、ご関心がございましたらどうぞお越し下さい。

後日談ですが、上記の『炭素会計入門』の著者でもある橋爪大三郎先生に、7月25日のAPEXセミナーでご講演いただけることになりました!(詳細)貴重な機会と思いますので、ふるってご参加下さい。

(APEX三木)

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