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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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【ご報告】第5回「開発とNGO」研究会 アマルティア・セン『自由と経済開発』

2011年8月7日(日)「開発とNGO」研究会第5回が行なわれました。この頃のお天気が不安定だったせいか、体調不良でお休みされた方が多かったのですが、もしかしたらテキストの厚みに圧倒されて体調を崩された方もいらしたかもしれません(笑)そんな今回のテキストは、アマルティア・センの『自由と経済開発』です。

アマルティア・センは、アジア人で初のノーベル経済学賞を受賞した方で、その思想は開発や援助の分野に大きな影響を与えています。この著作では、自由の概念を掘り下げながら、貧困とは何か、開発とは何をめざして行なわれるべきかを論じているのですが、その論は開発経済、哲学、政治学、倫理学、宗教学など広範な分野にわたって展開されており、非常にアカデミックで読みごたえのある著作です。訳本でもあることもあり、参加者のみなさまからも、ちょっと難しかったという感想が聞かれました。

貧困とは単に所得の不足であるという見方があることで、貧困をGNPや所得を基準として考える場合が多くありますが、人々が価値があると思うことは多様であることから、本書では「潜在能力」という概念からのアプローチが示されています。潜在能力とは、ある人が価値を見言い出すことを達成できる実質的自由であり、これが失われたした状態が貧困で、開発の目的は「潜在能力を拡大すること」だといいます。センの自由に対する洞察の深さには魅力を感じる参加者の方が多く、貧困の克服のために何をすべきかの部分は、個人的にも大変参考になります。

研究会第5回
(第5回の参加者は9名です)

一方で、本書には、貧困が生じてくる社会の構造的な原因についての洞察やそれへの代替策などについては、あまり明確ではないように思います。「開発とNGO」研究会の前半のテキストで、国家間の従属的な関係を生み出す経済・社会構造を批判している論文などにも触れましたから、それらに対する考察や代替策の部分が本書ではやや弱いように感じるのかもしれません。ディスカッションでは、日本の国際開発・NGOはセンに影響を受けている部分が多いが、ただ追従するのではなく、なお足りない部分を考えていく姿勢も必要ではないか、等の意見が出されました。

次の研究会では、本書の中にも取り上げられていた「グラミン銀行」創始者のムハマドユヌス著「貧困のない世界を創る」です。今回お休みされた方も、次回はぜひご参加下さい。

(APEX三木)
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