【現地レポート】外務省助成期間の終了
ジャトロファ事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力対象事業(事業名「インドネシアにおけるナンヨウアブラギリの複合的利用による環境保全型地域開発」)として2008年9月より実施されてきましたが、昨日(10月17日)、当初の計画通り3年間の活動が終了しました。今後は、自立的に事業運営が継続されていく予定です。
2008年9月~2011年10月までの3年間の活動内容は、以下のとおりです。
1.苗木作り、植栽、荒地の緑化
第1年次、第2年次を通して、シッカ県マゲパンダ群レロロジャ村で、50万本のジャトロファの苗木を生産し、200ヘクタールの荒地に植栽しました。植栽後の苗木は基本的に住民が管理を行なっていますが、適宜、フォローアップや技術指導などを行いました。

2.ジャトロファ・センターの建設
シッカ県ワイゲテ郡ワイルブレレル村にあるディアン・デサ財団所有の農園内に、事務所、種子貯蔵倉庫2棟、生産棟、廃棄物処理場、精製油貯蔵所からなるジャトロファ・センターを建設しました。ジャトロファ・センターは、種子の収集や搾油・精製、製品油の貯蔵・出荷、廃棄物・廃熱利用ならびに事業運営管理の拠点として利用されています。

3.種子の収集、搾油、精製
小規模搾油・精製設備が整い、第1年次に植えたジャトロファが結実しだした2010年1月より、レロロジャ村およびその周辺の村をはじめ、近隣の県内の村からも種子の買い取りを開始しました。2010年3月ごろより小規模設備を用いて搾油精製を行なっていましたが、第2年次の2010年8月には種子処理能力700kg/時の搾油・精製本設備が完成し、その後は本設備を使用して、搾油・精製を行なっています。

4.精製油の利用
インドネシアの電力公社(PLN)との協力により、2010年7月にはジャトロファ油をディーゼル発電機用の燃料として使用する運転テストを行いました。その後、2011年6月から、実際にディーゼル発電機用の燃料(ただし、軽油との混焼)として、PLNへのジャトロファ製品油の供給を開始しました。そこで得られた電力は、近隣の一般家庭に供給されています。

5.廃棄物・廃熱の利用
搾油の際に発生する搾り粕は、窒素・リン・カリウムなど植物の成長に必要な栄養素を多く含んでいます。この事業ではジャトロファの搾り粕からコンポストを生産しています。また、果実の殻などのジャトロファの廃棄物をガス化して、生成したガスをディーゼル発電用の燃料として利用するためのガス化装置を設置しました。さらに、ディーゼル発電機の廃熱を利用して海水を淡水化する装置も設置されています。

6.住民のトレーニング
2010年10月から2011年2月にかけて、シッカ県および近隣の県内の39村で、ジャトロファの苗木生産・植栽・養生に関するワークショップを開催しました。ワークショップには、のべ1500名以上の住民の参加がありました。

7.ネットワーク作り
ジャトロファ栽培による、このような地域開発モデルの他地域への普及や関連するネットワーク作りのために、毎年ニュースレターを2号(各号500部)発行しました。また、2011年9月15、16日には、フローレス島マウメレで全国的なセミナーを開催しました。

10月17日をもちまして外務省の助成事業としての実施は終了しましたが、この事業の進捗については今後も随時ご報告していきたいと思います。
(APEX彦坂)
2008年9月~2011年10月までの3年間の活動内容は、以下のとおりです。
1.苗木作り、植栽、荒地の緑化
第1年次、第2年次を通して、シッカ県マゲパンダ群レロロジャ村で、50万本のジャトロファの苗木を生産し、200ヘクタールの荒地に植栽しました。植栽後の苗木は基本的に住民が管理を行なっていますが、適宜、フォローアップや技術指導などを行いました。

2.ジャトロファ・センターの建設
シッカ県ワイゲテ郡ワイルブレレル村にあるディアン・デサ財団所有の農園内に、事務所、種子貯蔵倉庫2棟、生産棟、廃棄物処理場、精製油貯蔵所からなるジャトロファ・センターを建設しました。ジャトロファ・センターは、種子の収集や搾油・精製、製品油の貯蔵・出荷、廃棄物・廃熱利用ならびに事業運営管理の拠点として利用されています。

3.種子の収集、搾油、精製
小規模搾油・精製設備が整い、第1年次に植えたジャトロファが結実しだした2010年1月より、レロロジャ村およびその周辺の村をはじめ、近隣の県内の村からも種子の買い取りを開始しました。2010年3月ごろより小規模設備を用いて搾油精製を行なっていましたが、第2年次の2010年8月には種子処理能力700kg/時の搾油・精製本設備が完成し、その後は本設備を使用して、搾油・精製を行なっています。

4.精製油の利用
インドネシアの電力公社(PLN)との協力により、2010年7月にはジャトロファ油をディーゼル発電機用の燃料として使用する運転テストを行いました。その後、2011年6月から、実際にディーゼル発電機用の燃料(ただし、軽油との混焼)として、PLNへのジャトロファ製品油の供給を開始しました。そこで得られた電力は、近隣の一般家庭に供給されています。

5.廃棄物・廃熱の利用
搾油の際に発生する搾り粕は、窒素・リン・カリウムなど植物の成長に必要な栄養素を多く含んでいます。この事業ではジャトロファの搾り粕からコンポストを生産しています。また、果実の殻などのジャトロファの廃棄物をガス化して、生成したガスをディーゼル発電用の燃料として利用するためのガス化装置を設置しました。さらに、ディーゼル発電機の廃熱を利用して海水を淡水化する装置も設置されています。

6.住民のトレーニング
2010年10月から2011年2月にかけて、シッカ県および近隣の県内の39村で、ジャトロファの苗木生産・植栽・養生に関するワークショップを開催しました。ワークショップには、のべ1500名以上の住民の参加がありました。

7.ネットワーク作り
ジャトロファ栽培による、このような地域開発モデルの他地域への普及や関連するネットワーク作りのために、毎年ニュースレターを2号(各号500部)発行しました。また、2011年9月15、16日には、フローレス島マウメレで全国的なセミナーを開催しました。

10月17日をもちまして外務省の助成事業としての実施は終了しましたが、この事業の進捗については今後も随時ご報告していきたいと思います。
(APEX彦坂)
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