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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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第175回APEXセミナー報告「外国人看護師・介護福祉士受け入れの現状と今後の課題-インドネシア人候補者を例に-」

6月16日(土)に行われた第175回APEXセミナーではガルーダ・サポーターズ共同代表の星さとる氏をお招きして、インドネシア人看護師・介護福祉士候補を取り巻く問題や今後の課題についてお話をうかがいました。

インドネシアで看護師資格を持ち、実務経験のある候補者の方が日本の受入施設と雇用契約を結び、そこで働きながら学び、3、4年間のうちに日本の国家試験を受験して、合格すればずっと日本で働き続けられるというのが、この制度の概要です。セミナーでは、合格率低迷の要因や関連する問題について、さまざまな角度からお話をうかがうことができました。

まず、問題の大きいところとして、限られた期間に日本語を修得することの難しさや受入れ施設側の経済的負担が大きいことが挙げられます。

第175回APEXセミナー1

日本語を母語としない人が漢字を理解したり、漢字・かな交じりの文章を読み下すこと自体そう簡単なことではないそうで、日本人ならば瞬時に判別できる熟語の区切り方などの感覚も彼らにはなく、国家試験(=筆記試験)では、問題文を読むこと自体がハードルであるとのこと。そのため、外国人受験者の場合の試験時間の延長や、漢字に読み仮名をつける、分かりやすい文章作り(いわゆるひっかけ問題にしない)等の必要性を訴えてこられたそうです。

また、候補者は医療・介護の専門知識を日本語で修得しなければなりませんが、例えば、日本語教師は医療・介護に詳しい方ばかりではなく、逆に受け入れ施設の方は語学を教える専門家ではない、さらに、医療介護のテキストも日本語修得レベルに配慮されているものは少ない、というふうに、教育システムとして充分に対応しきれていない現状もお聞きすることできました。

受け入れ施設側の経済的負担についてはニュース等でも取り上げられているところですが、近年は受け入れ側の減少が続いており、既にピーク時の30%程度まで減ってしまった受け入れ先をどうやって増やしていくかも課題ということです。

さらに細かくは、外国人の就労に関する制度上の問題や行政上の制約、看護・介護の独特な事情なども不安要因となっているようで、詳しくうかがうにつれて実にさまざまな問題があることには驚きました。近頃では、合格しても帰国してしまう方もおり、合格後の就労、生活面への配慮に関する課題なども現れ始めているようです。


第175回APEXセミナー2

星さんは、外国人受け入れ制度が、国の看護・介護分野の人手不足問題への対策を講じる上で行われているのではなく、経済連携協定で始まっているという、目的の不明瞭さを指摘されていましたが、今後加速する少子高齢化に日本国内だけで対応するのは困難であるという見地から、この制度がそれらの問題解決に貢献するための道すじ/ルートマップの整備が急務であると述べられていました。

ガルーダ・サポーターズでは、インドネシア人看護師・介護士候補者の電話相談や学習支援などの直接支援と政策提言を行ってこの制度を支える活動をされています。そのため、メンバーには、看護婦、保健師、メディカルドクター、日本語教師、受け入れ施設の関係者等々、この問題に関わるさまざまな専門性を持つ専門家がいらっしゃるとのことです。問題解決型の活動をすることの難しさを感じながら、少しずつでも改善に向かうことを祈ります。

当日はあいにくの天気にもかかわらず会場は満員のお客さまで熱気があり、質疑の時間には終了時間まで質問が絶えませんでした。この問題への関心の高さもうかがえました。
ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

※なお、後日談となりますが、セミナーでもご紹介いただいた「ガルーダサポーターズ3周年の集い」のご案内をいただきましたので、共有させていただきます。
(7月21日開催)http://garuda-net.jp/data/20120721.pdf

(APEX 三木)



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