ジャワ島中部地震救援活動(8/14)
APEXの彦坂です。
普段は東京の事務所でパソコンに向っていますが、プロジェクトの現場を見るためにジョグジャカルタにやって来ました。昨日はジャワ島中部地震の被災地、バントゥル県プレレット郡に行ってきました。
地震発生後3ヶ月近く経ち、まだテント暮らしの人々も多いものの、木や竹を利用した仮設住宅を建てている人々もいます。食べ物や雑貨を売る店も所々見られ、少しずつ通常の生活に戻りつつあるようです。家の前で観葉植物や花を育てたり、屋根以外竹で作られた見事な家もあったりして、彼らなりに生活を楽しんでいるようにも見られました。住宅の再建など課題も多いと思いますが、陽気な彼らならどんなことでも乗り越えていくことでしょう。


(左)テントの中でお店の手伝いをする子供たち
(右)崩れた家の跡地の隣に建つ、竹で作られた見事な仮設住宅
さて、ディアン・デサ財団(以下、YDD)の復興活動は現在のところ、(1)MCK(トイレと水浴び場、洗濯場)の建設、(2)井戸の修復、(3)浄水の供給の3つを中心に行っています。
まずMCKについては、仮設の10室タイプ120ユニットを建設した後、半恒久的な2室タイプの建設に移り、8月7日時点で後者を378ユニット完成させ、加えて83ユニットを建設中との事です。2室タイプ1ユニットのMCKで5~7世帯をカバーしており、目下の目標は、このタイプで3,300世帯分を建設することです。完成した分はそのうち2,400世帯分に相当します。
また、井戸の修復については、まず井戸の中の泥や瓦礫を取り除いて掃除した後、支柱や排水溝などを整備(改修)する、という2段階で行っています。586本の井戸の掃除が終了し、そのうち4分の1が改修まで終わっています。住民からの要望はもっとあるのですが、目標は1000本の井戸の修復です。修復は、材料をYDDが提供し、YDDの技術指導の下、住民自身が工事を行うという形をとっています。井戸の掃除は4台のポンプを使用して、1日30~40本ぐらいきれいにしているそうです。
次に、浄水の供給は1日約45トン、そのうち4割程度はムラピ山の火砕流による被災地向け、残りの6割は地震の被災地向けです。YDD内にある浄水装置で浄化された水は、5000Lのプラスチックバッグに入れられ、バントゥル県、スレマン県などの被災地37ヶ所に設置された同様のバッグに配給されています。



(左)MCKの排水処理システム(セプティックタンクの第一槽。この後穴の底をふさぎ、この槽で汚れを沈殿させ、嫌気処理槽を経て、処理水を地下浸透させるという簡単なもの)。
(中)完成したMCKと井戸
(右)井戸の掃除に使用されるポンプ

設置された浄水入りバッグから水が漏れていたが、ディアン・デサ財団のスタッフが素早く木の枝で応急処置を施しました。
以上の3つの活動は9月初めを目途にして行われています。また、これまで活動を行っていた6つの地域のほかに、グヌンキドゥル県パトゥック郡でも同様の活動を開始したそうです。
また、メルシー・コープ社から提供された工具・農具セット、計4,000セットは8月6日までに配布を終了したとの事です。バントゥル県プレレット郡とドゥリンゴ郡のすべての村及びプンドゥング郡などの村を対象に5世帯当たり1セットを配布しました。引き続き、オックスファムから提供されたツールキットと衛生セットを配布しています。
また、YDDでは今後の活動として、住宅建設も検討中との事です。テントの中では昼間は暑く夜は寒いし、あと2ヶ月もすると雨季に入ります。仮設住宅である程度はしのぐことができるとしても、恒久的な住宅の建設に早く取り掛からなければならないと思います。インドネシア政府から最大3000万ルピア/世帯の住宅復興手当てが支給されることになっていますが、今のところ、本当に支払われるのか、支払われるとすればいつになるのかわからない状況です。品不足のため、セメントや鉄、屋根瓦などいろいろな建築材が値上がりしています。住宅の再建や瓦礫の撤去・廃棄など、完全に復興するにはまだまだ時間がかかりそうです。

上の写真は地震の影響で、新築1年目で壊れたという家。一応鉄筋コンクリート製とのことであるが、鉄筋の使用量は少ないように見える。
普段は東京の事務所でパソコンに向っていますが、プロジェクトの現場を見るためにジョグジャカルタにやって来ました。昨日はジャワ島中部地震の被災地、バントゥル県プレレット郡に行ってきました。
地震発生後3ヶ月近く経ち、まだテント暮らしの人々も多いものの、木や竹を利用した仮設住宅を建てている人々もいます。食べ物や雑貨を売る店も所々見られ、少しずつ通常の生活に戻りつつあるようです。家の前で観葉植物や花を育てたり、屋根以外竹で作られた見事な家もあったりして、彼らなりに生活を楽しんでいるようにも見られました。住宅の再建など課題も多いと思いますが、陽気な彼らならどんなことでも乗り越えていくことでしょう。


(左)テントの中でお店の手伝いをする子供たち
(右)崩れた家の跡地の隣に建つ、竹で作られた見事な仮設住宅
さて、ディアン・デサ財団(以下、YDD)の復興活動は現在のところ、(1)MCK(トイレと水浴び場、洗濯場)の建設、(2)井戸の修復、(3)浄水の供給の3つを中心に行っています。
まずMCKについては、仮設の10室タイプ120ユニットを建設した後、半恒久的な2室タイプの建設に移り、8月7日時点で後者を378ユニット完成させ、加えて83ユニットを建設中との事です。2室タイプ1ユニットのMCKで5~7世帯をカバーしており、目下の目標は、このタイプで3,300世帯分を建設することです。完成した分はそのうち2,400世帯分に相当します。
また、井戸の修復については、まず井戸の中の泥や瓦礫を取り除いて掃除した後、支柱や排水溝などを整備(改修)する、という2段階で行っています。586本の井戸の掃除が終了し、そのうち4分の1が改修まで終わっています。住民からの要望はもっとあるのですが、目標は1000本の井戸の修復です。修復は、材料をYDDが提供し、YDDの技術指導の下、住民自身が工事を行うという形をとっています。井戸の掃除は4台のポンプを使用して、1日30~40本ぐらいきれいにしているそうです。
次に、浄水の供給は1日約45トン、そのうち4割程度はムラピ山の火砕流による被災地向け、残りの6割は地震の被災地向けです。YDD内にある浄水装置で浄化された水は、5000Lのプラスチックバッグに入れられ、バントゥル県、スレマン県などの被災地37ヶ所に設置された同様のバッグに配給されています。



(左)MCKの排水処理システム(セプティックタンクの第一槽。この後穴の底をふさぎ、この槽で汚れを沈殿させ、嫌気処理槽を経て、処理水を地下浸透させるという簡単なもの)。
(中)完成したMCKと井戸
(右)井戸の掃除に使用されるポンプ

設置された浄水入りバッグから水が漏れていたが、ディアン・デサ財団のスタッフが素早く木の枝で応急処置を施しました。
以上の3つの活動は9月初めを目途にして行われています。また、これまで活動を行っていた6つの地域のほかに、グヌンキドゥル県パトゥック郡でも同様の活動を開始したそうです。
また、メルシー・コープ社から提供された工具・農具セット、計4,000セットは8月6日までに配布を終了したとの事です。バントゥル県プレレット郡とドゥリンゴ郡のすべての村及びプンドゥング郡などの村を対象に5世帯当たり1セットを配布しました。引き続き、オックスファムから提供されたツールキットと衛生セットを配布しています。
また、YDDでは今後の活動として、住宅建設も検討中との事です。テントの中では昼間は暑く夜は寒いし、あと2ヶ月もすると雨季に入ります。仮設住宅である程度はしのぐことができるとしても、恒久的な住宅の建設に早く取り掛からなければならないと思います。インドネシア政府から最大3000万ルピア/世帯の住宅復興手当てが支給されることになっていますが、今のところ、本当に支払われるのか、支払われるとすればいつになるのかわからない状況です。品不足のため、セメントや鉄、屋根瓦などいろいろな建築材が値上がりしています。住宅の再建や瓦礫の撤去・廃棄など、完全に復興するにはまだまだ時間がかかりそうです。

上の写真は地震の影響で、新築1年目で壊れたという家。一応鉄筋コンクリート製とのことであるが、鉄筋の使用量は少ないように見える。
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