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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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現地でも入手可能なものを利用すること

ジャトロファ・センターではジャトロファの種子を住民から買い取っていますが、正直なところ、多くの住民にとってはその販売価格はまだ十分に高いものとは言えないと思います。住民が種子を売るかどうかは、販売価格が種子を調達するまでの労働の対価としてふさわしいかどうかということがポイントになると思っています。

特に種子の収穫は結構手間のかかる作業で、住民がジャトロファの種子を販売するためには、まず木になっている果実を採取した後、果実の殻を剥いて種子を取り出さなければなりません。この果実の殻剥きが意外と手間のかかる作業なのです。

普通は以下のように1個1個の果実の殻を手作業で剥きます。

手作業による殻剥き

ジャトロファ・センターでは、これまでに以下のような電動式の殻剥き機(左側の写真)を使用したり、手動式の殻剥き機(右側の写真)を10個程度自作して住民に貸し出したりしました。しかし、より安価な手動式の殻剥き機でも1台製作するのに4000~5000円ほどかかるので、あまり大量に提供するのは難しいことでした。

電動式の殻剥き機手動式の殻剥き機

簡単にまとめると、以下のようになります。

効率(低効率→高効率の順に):手作業 < 手動式の殻剥き機 < 電動式の殻剥き機
価格(安い物→高い物の順に):手作業(タダ)< 手動式の殻剥き機 < 電動式の殻剥き機

ところが、先日、どこにでもある木の板を使って果実の殻を剥くことが出来ることを発見しました。元々、ジャトロファに関する文献を読んでいる時に、殻剥きにかかる時間を調べている文献の中で、手作業と殻剥き機と並んで「板」と書かれていたのを見つけたのがきっかけでした。

まず、複数個の果実を床に置き、

床に並べられた果実

その上に板を載せて、押し付けながら左右に動かします。

果実の上に板を載せる

板をどけると、この通り。後は種子を集めるだけです。

殻を剥いた後

このやり方を住民に紹介した際の反応は良好でした。電動式の殻剥き機ほど早くはなくても、少なくとも手作業で一つ一つ剥いていくのよりは早く済むはずです。高価な機械ほど完璧な仕事はできなくても、どこでも簡単に見つかる木の板を使うことで従来よりも良い仕事ができるのであれば、それは住民にとっては十分喜ばしい情報なのです。

現地には無い高価な機械を持ち込むよりは、現地でも簡単に見つかる安価なものを利用する方法を広めることの方が適正なこともあるかと思います。

(APEX彦坂)
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