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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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現場から立ち上がる環境倫理―二項対立を超えて(183回APEXセミナー)

第183回のAPEXセミナーは、「現場から立ち上がる環境倫理―二項対立を超えて」として、星槎大学教授・東京大学名誉教授の鬼頭秀一先生にお話いただきました。
会場のようす

今回のセミナーは、わたしがAPEXに入職して初めて企画させていただいたものです。APEXのボランティアグループ「AP-NET」では、勉強会などで鬼頭先生の名前は何かと議論に出てくることもあり、セミナーにお呼びしたら盛り上がるのではないかと思って企画をしました。

実は鬼頭先生は、わたしの大学院のときの恩師であり、大変お世話になった、また大変ご迷惑をかけた存在でもあります。
それでも、ご依頼を快く受けて頂き、今回のセミナーを実現させることができました。

講義では、まず環境倫理学の歴史から、「開発」か「保護」かなどの二項対立図式で環境問題を捉えることの限界が指摘されました。
その後、鬼頭先生の調査フィールドの一つである諫早湾の干拓計画において、現場を多角的に捉えていく中で、実際に起こっている問題の本質は「開発」か「保護」かではなく、さまざまなネットワークが分断されていることであるということが、明らかにされました。
鬼頭秀一氏(星槎大学教授・東京大学名誉教授)
また、そのような環境問題の現場において、「技術」は環境と人間をつなぐ「インターフェイス」であるとして、技術選択の重要性についても触れられました。「適正技術」を掲げる当団体にとって、また日頃から技術のあり方に関心を持つ参加者の方々にとっても重要な論点だったように思われます。

質疑応答では、「社会的リンク論」の源流についてや、実際に企業やNGOに何ができるか、また現場に「よそ者」として入ることの意味など、とても濃い内容のディスカッションがなされました。

参加者のアンケートからは、環境倫理について理解を深めることができた、などの満足の声が多く聞かれました。また、こんなに深い議論になる場がこんなところにあるとは、と鬼頭先生も驚かれたようすで、非常に有意義なセミナーとなりました。

セミナー後の懇親会では、当会の田中代表とも接点が多いことや、とある参加者と時期を異にして同じ調査地で活動されていたことがわかったりと、大変盛り上がりました。また機会がありましたら、何か企画できたら良いと思いました。

次回のAPEXセミナーは2/1(日)に大阪の梅田にて、「変化するアジア社会とNGOの新しい役割」として、近畿大学の秦辰也先生をお招きします。関西地域にお住いの方で、都内でのセミナーにあまり参加できずにいらっしゃる方も、ぜひこの機会にふるってご参加下さい。
詳細ページはコチラ

APEX塩原)
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