共生経済への道―2015第2回「開発とNGO」研究会
去る6月28日に、「共生経済への道」として、2015年度「開発とNGO」研究会の第2回が行われました。
今年度初参加の方も何名か出席されて、全14名と、なかなかの盛況ぶりの中、今回は内橋克人著『共生経済が始まる』(朝日文庫、2011年)を取り上げ、参加者で議論をしました。
今回は、学生2名に要約のレジュメとコメントを担当していただきましたが、それぞれとてもよくできていて感心しました。のちのち聞いてみると、自主的なゼミを週に1回、1ヶ月間開き、その中で先輩や先生にアドバイスをもらいながら作成していったということでした。熱心に取り組んでいただいたことがよく伝わってきて、とても嬉しかったです。
さて、テキストでは、当時の郵政民営化やTPPなどたくさんの時事的な事例を引き合いにだしながら、新自由主義(新古典派経済学)への批判から、それに代替する経済として「共生経済」を提唱しています。ディスカッションでは、非正規雇用の問題や、限界集落の活性化、地域通貨など、具体的な事例に関する多くの議論があり、活発な意見交換がなされました。
「共生」というと、もともとsymbiosisという生物学の用語というイメージですが、2000年あたりから、社会のあり方について考えるときのキーワードとして扱われるようになり、豊かさの代名詞として市民権を得てきた感があります。「ともいき」という読み方で、より思想的に語られたりもしていて、近代化の中で忘れてきてしまった人間的な「何か」がそこから見出されているのでしょうか。
議論では、事例から部分的には語られてはいるものの、「共生経済」が何かというのははっきり書かれていないのではないかという意見がありました。「共生」は、生物学的にも「寄生」などとの定義分けが難しいとされているようなので、「共生経済」の定義づけは恐らくもっと難しいのではないかと思います。ただ、それでも漠然と、「共生」は私たちが豊かに生きるために目指すべき方向であるかのような、人を惹きつける魅力を持った言葉だと感じました。
(APEX塩原)
今年度初参加の方も何名か出席されて、全14名と、なかなかの盛況ぶりの中、今回は内橋克人著『共生経済が始まる』(朝日文庫、2011年)を取り上げ、参加者で議論をしました。


さて、テキストでは、当時の郵政民営化やTPPなどたくさんの時事的な事例を引き合いにだしながら、新自由主義(新古典派経済学)への批判から、それに代替する経済として「共生経済」を提唱しています。ディスカッションでは、非正規雇用の問題や、限界集落の活性化、地域通貨など、具体的な事例に関する多くの議論があり、活発な意見交換がなされました。
「共生」というと、もともとsymbiosisという生物学の用語というイメージですが、2000年あたりから、社会のあり方について考えるときのキーワードとして扱われるようになり、豊かさの代名詞として市民権を得てきた感があります。「ともいき」という読み方で、より思想的に語られたりもしていて、近代化の中で忘れてきてしまった人間的な「何か」がそこから見出されているのでしょうか。

(APEX塩原)
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