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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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「問題発掘・解決型」から「ポテンシャルを活かす」技術へ―第186回APEXセミナーにて

10月31日(土)に、第186回APEXセミナー「地域資源や在来知を生かした実践技術をつくる―西アフリカ半乾燥地での砂漠化対処の取り組みから―」がJICA地球ひろば(市ヶ谷ビル)にて行われました。

186セミナー会場

今回ご登壇いただきました総合地球環境学研究所の田中樹氏とは、2014年の日立環境財団・日刊工業新聞社主催第41回環境賞の表彰式にてお会いしたのがきっかけです。(APEXはコミュニティ排水処理事業で優秀賞、田中先生のプロジェクトは同賞・環境大臣賞を受賞。詳しくは2014年5月20日の日刊工業新聞記事をご覧ください。)

今回のご講演では、まず「砂漠化」の定義や、これまでの砂漠化対処技術などの背景についてご説明いただいたのち、田中先生がプロジェクトで開発した「耕地内休閑システム」について、その技術内容などをご紹介をいただきました。

講演の中で私が印象的に感じたのは、「砂漠化」に対する一般的な知識やイメージの多くが、間違った認識だという指摘です。日本語における「砂漠化」は、本来、英語などでははっきりと区別されるはずの"Desertization"=気候的要因による砂漠の広がりと、"Desertification"=人間活動による荒廃地の広がりとが混合されており、国際的な砂漠化対処条約における「砂漠化」は明確に後者であるにも関わらず、日本ではいまだに前者の認識が強く、そこから、砂漠=荒廃地という間違った認識がされているとのことでした。

「砂漠化」が人間活動による荒廃地の広がりであるという認識に立つと、住民が生きるために必要な活動が、同時に土地の荒廃を引き起こしているという現実が見えてきます。例えば、植林や石堤などの代表的な砂漠化対処技術も、それに一定の科学的な合理性があったとしても、住民の生活との親和性がなければ、それが持続的に行われていくのは難しいということです。

田中樹氏自戒も込めて、という前置きから、「研究者はこれまでの『問題発掘・解決型』の発想から、身近な『ポテンシャルを活かそう』とする発想へと転換するべき」というお話があり、私には、それが今回の講演においてとても象徴的な言葉のように思えました。それは、まさに「現場」で起こっている環境の問題に、現地の住民とともに向き合いながら研究を重ねられてきた田中氏の研究への姿勢であるとともに、ひとつの哲学のようにも感じられました。

懇親会では、2次会までお付き合いいただき、楽しくも刺激的なお話をたくさんしてただきました。田中先生には、この場を借りて感謝いたします。

次回のAPEXセミナーは、12月6日(日)に、「持続可能な日本の未来と地域の胎動」と題し、日本各地のさまざまな取り組みをルポルタージュしてきたジャーナリストの大江正章氏より、それぞれの地域の実践と、持続可能な日本の未来についてお話を伺います。(セミナーお申込み/詳細はこちらから)
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

(塩原)
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