住民が主体的に参加できる技術―第189回セミナーにて

タイトルからもわかる通り、今回はコミュニティ排水処理事業にスポットライトを当てた内容でした。というのも、モデルシステムの普及促進として実施してきたJICA草の根パートナー事業(通称草パト)のプロジェクト期間が2016年1月に終了し、今がちょうど、さらなる普及に向けて動き出す節目の時期だからです。
今回は、プロジェクトの内容や経緯、技術の概要などに加え、モデルシステムを設置した地域のそれぞれの状況などにも触れながら、適正技術の文脈に欠かすことのできない、住民と技術の関係性について考えるセミナーとなりました。
質疑応答の場面では、参加者の方からさまざまな質問が投げかけられました。システムのカバレッジやスラッジの抜出しなどの技術的な質問から、住民意識の醸成などの社会的な側面からの質問など、学生から社会人、理系から文系まで幅広い方が参加されているということを象徴するような時間となりました。
中でも、インドネシアのさまざまな排水処理システムを見られてきた方から、政府が推奨する一般的なシステム(Sanimas)との比較を述べていただいたのは私としてもたいへん勉強になりました。特にSanimasが嫌気性処理のみで専門的なオペレーターを必ずつけている一方、APEXでは住民がオペレーションチームを作ってシステムを管理しているという部分が、まさに今回の「技術と住民」というテーマを考えさせる部分でした。
なお、今回のセミナーは、2016年度適正技術人材育成研修初球コースの講義と合同で開催しました。例年は、初回と最終回の講義以外は研修参加者にクローズにしていましたが、今年度の研修の講義はすべて外部に公開にしたいと思います。
詳細については、メールマガジンやホームページ上で随時情報を発信していきますので、ご関心のある方はチェックしてみてください。
▼今年度の研修講義の講師の方々はこちら。
http://www.apex-ngo.org/kensyu.html
技術と国際協力の分野の第一線で活躍する方々で、しかもみなさん遠方から来られますので、たいへん貴重な機会です。ぜひお見逃しなく。
塩原
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