【ご報告】第198回APEXセミナー開催
8月8日(土)に第198回APEXセミナーを開催いたしました。
今回は、「ベトナム・カンボジア・タイの適正技術関連団体を訪ねて+適正技術事例収集活動経過報告」と題して、延期となっておりました2019年度適正技術情報収集ワーキンググループ報告会を、オンライン(Zoom)にて行いました。

第一部では、ベトナム、カンボジアならびにタイの、適正技術関連団体計8団体の現地調査について、代表の田中よりご報告し、実際に現地調査に同行したグループメンバーからもコメントをいただきました。
詳しい調査結果については、下記からご覧いただけますので、ぜひご一読ください。
http://www.apex-ngo.org/kokunai/atoverseasresearch.html
私も現地調査には同行させていただきましたが、工夫を凝らしたユニークな活動をしているところも多く、こういった場を通して、彼らの活動がもっと世界に知られるとよいなと思います。例えば、ベトナムのH&P Architectsがデザインしたバンブーハウスは、洪水がきたときに、家全体が浮上し、災害を防ぐことができます。このような発想の転換は、これからの新しい持続可能な技術体系を作っていく上で、必要なものではないでしょうか。
第二部では、ワーキンググループ参加メンバー3名より、ワーキンググループの活動の一環として行っている、適正技術事例収集の経過を報告していただきました。

まず、小川さまより、NPOおおいたの水と生活を考える会が実施している「地域で管理する簡易浄水装置」の事例と、株式会社アグリメディアが展開している「有休農地の市民農園への転用」について、それぞれお話いただきました。水道の維持管理が難しくなっている過疎地域において、簡素な構造で安価に建設でき、高齢者でも維持・保守管理が容易な簡易浄水装置は、これからさらに需要が増していくのでは思われました。また、有休農地を活用した市民農園も、これからの新しい農業・食の形に貢献していくのではと感じました。

続いて、小木さまより、ヒ素に汚染されていない安全な水の供給をめざして、アジア砒素ネットワークがバングラデシュで行っている取組みと、福岡市環境局が推進している準好気性埋立構造「福岡方式」について、ご発表いただきました。
バングラデシュでは、主要な飲料水源である地下水の約3割 にヒ素汚染が確認されており、その場の状況に応じて、深井戸(DTW)、ダグエル・サンドフィルター(DSF)、 砒素鉄除去装置(AIRP)、鉄除去装置(IRP)、ポンド・サンド フィルター(PSF)、緩速ろ過など、さまざまな技術を選択的に導入し、安全な水を確保しているそうです。その際、住民による維持管理に関する技術支援や、住民への環境教育なども行いながら、住民自ら施設を持続的に運用できるようにくふうされています。福岡方式については、昨年の第6回適正技術フォーラム(ATFJ主催、APEX共催)でも、この方式の開発者である福岡大学名誉教授松藤康司氏にお話いただいたことがあります。簡便な構造でありながら、土壌汚染を防ぎ、かつメタンガス発生も抑えて地球温暖化防止に寄与することなど、まさに適正技術だと再認識いたしました。

最後に、神野さまより、福島県東和で行われている「ゆうきの里東和 ふるさとづくり」と、同じく福島県の「南相馬 菜の花プロジェクト」について、お話をいただきました。地元で採れた農作物を調理した料理を提供する民宿や、定住促進、地元農家による地域特産品加工推進事業に至るまで、協議会が「全部自分たちで行う」というポリシーのもと活動を行っているのが印象的でした。菜の花プロジェクトは、たとえ長い道のりであっても、この地でまた農業をしたいという農家の方々の気持ちが心にしみました。
みなさまの発表を聞いていて、適正技術はやはり「ひと主導」の技術なのだなと改めて感じました。
昨今の状況により、オンラインでのセミナー開催が続きますが、どうぞお気軽にご参加ください。
(ジェンキンソン 陽(みなみ))
今回は、「ベトナム・カンボジア・タイの適正技術関連団体を訪ねて+適正技術事例収集活動経過報告」と題して、延期となっておりました2019年度適正技術情報収集ワーキンググループ報告会を、オンライン(Zoom)にて行いました。

第一部では、ベトナム、カンボジアならびにタイの、適正技術関連団体計8団体の現地調査について、代表の田中よりご報告し、実際に現地調査に同行したグループメンバーからもコメントをいただきました。
詳しい調査結果については、下記からご覧いただけますので、ぜひご一読ください。
http://www.apex-ngo.org/kokunai/atoverseasresearch.html
私も現地調査には同行させていただきましたが、工夫を凝らしたユニークな活動をしているところも多く、こういった場を通して、彼らの活動がもっと世界に知られるとよいなと思います。例えば、ベトナムのH&P Architectsがデザインしたバンブーハウスは、洪水がきたときに、家全体が浮上し、災害を防ぐことができます。このような発想の転換は、これからの新しい持続可能な技術体系を作っていく上で、必要なものではないでしょうか。
第二部では、ワーキンググループ参加メンバー3名より、ワーキンググループの活動の一環として行っている、適正技術事例収集の経過を報告していただきました。

まず、小川さまより、NPOおおいたの水と生活を考える会が実施している「地域で管理する簡易浄水装置」の事例と、株式会社アグリメディアが展開している「有休農地の市民農園への転用」について、それぞれお話いただきました。水道の維持管理が難しくなっている過疎地域において、簡素な構造で安価に建設でき、高齢者でも維持・保守管理が容易な簡易浄水装置は、これからさらに需要が増していくのでは思われました。また、有休農地を活用した市民農園も、これからの新しい農業・食の形に貢献していくのではと感じました。

続いて、小木さまより、ヒ素に汚染されていない安全な水の供給をめざして、アジア砒素ネットワークがバングラデシュで行っている取組みと、福岡市環境局が推進している準好気性埋立構造「福岡方式」について、ご発表いただきました。
バングラデシュでは、主要な飲料水源である地下水の約3割 にヒ素汚染が確認されており、その場の状況に応じて、深井戸(DTW)、ダグエル・サンドフィルター(DSF)、 砒素鉄除去装置(AIRP)、鉄除去装置(IRP)、ポンド・サンド フィルター(PSF)、緩速ろ過など、さまざまな技術を選択的に導入し、安全な水を確保しているそうです。その際、住民による維持管理に関する技術支援や、住民への環境教育なども行いながら、住民自ら施設を持続的に運用できるようにくふうされています。福岡方式については、昨年の第6回適正技術フォーラム(ATFJ主催、APEX共催)でも、この方式の開発者である福岡大学名誉教授松藤康司氏にお話いただいたことがあります。簡便な構造でありながら、土壌汚染を防ぎ、かつメタンガス発生も抑えて地球温暖化防止に寄与することなど、まさに適正技術だと再認識いたしました。

最後に、神野さまより、福島県東和で行われている「ゆうきの里東和 ふるさとづくり」と、同じく福島県の「南相馬 菜の花プロジェクト」について、お話をいただきました。地元で採れた農作物を調理した料理を提供する民宿や、定住促進、地元農家による地域特産品加工推進事業に至るまで、協議会が「全部自分たちで行う」というポリシーのもと活動を行っているのが印象的でした。菜の花プロジェクトは、たとえ長い道のりであっても、この地でまた農業をしたいという農家の方々の気持ちが心にしみました。
みなさまの発表を聞いていて、適正技術はやはり「ひと主導」の技術なのだなと改めて感じました。
昨今の状況により、オンラインでのセミナー開催が続きますが、どうぞお気軽にご参加ください。
(ジェンキンソン 陽(みなみ))