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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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10基目のコミュニティ排水処理 モデルプラントを建設しています

2011年10月から始まったコミュニテイ排水処理事業も、いよいよ大詰め。本事業10基目、最後のモデルプラント建設が始まっています。

(当初、事業期間は2015年9月までの予定でしたが、2016年1月までに変更になりました。)

最後のモデルプラントが建設されているのは、ジョクジャカルタ市の隣にあるスレマン県のトゥルン地区というコミュニティです。既に嫌気性処理部分の工事は完了しており、現在、好気性処理部分(回転円板を使用)と管渠の建設工事を行っているところです。

好気性処理槽の建設工事 好気性処理槽
(左:好気性処理槽の底にコンクリートを詰める、右:好気性処理部分、右奥にあるのが嫌気性処理部分)

管渠用パイプ 配管を埋める穴
(左:各戸と排水処理設備の間をつなぐパイプ、右:パイプを埋める溝)

このトゥルン地区を含めると、本事業(JICA草の根事業草の根パートナー型)で設置された、または設置予定のコミュニテイ排水処理設備の設置地区、接続世帯数、運転開始時期は以下の表のとおりとなります。

設置都市 地区 接続世帯数 運転開始時期
ジョクジャカルタ市 カラングワル地区 81 2013年2月
クリチャック・ロール地区 70 2013年2月
スレマン県トゥルン地区 65 2016年1月(予定)
プカロンガン市 ランドゥングサリ地区 36 2012年12月
サプロ地区 38 2014年12月
テガール市 スレロック地区(第2町内会第12隣組) 40 2013年9月
スレロック地区(第4町内会第2,3隣組) 43 2015年11月
タバナン県 パスカン・ベロダン地区 45 2013年2月

この中でも最もトラブルの多かった排水処理設備は、テガール市スレロック地区(第4町内会第2,3隣組)のもので、その竣工式が先月やっと開催されました。その様子を、APEX代表の田中がブログで紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

コミュニティ排水処理システムの竣工式 - APEX代表理事のブログ

トゥルン地区を含めると、この事業全体では約400世帯(約1600人)が安価で、住民自ら運転管理でき、かつ処理水質も良好な排水処理設備に接続できたことになります。裨益者数としてはまだ少ないですが、これらのコミュニテイ排水処理設備をモデルとして、全国的に普及が進むことを期待しています。

(APEX彦坂)

排水処理適正技術国際セミナーの開催

ご報告が少し遅くなりましたが、8月27日~28日にジョクジャカルタ市内のホテルで、コミュニティ排水処理の適正技術に関する国際セミナーを開催しました。参加申し込みを受け付けてからも、最初はなかなか参加申し込みが集まらず少し焦りましたが、広報先を広げることで最終的には講師を含めて111名の方が集まりました。

セミナー講師として、インドネシア国内からは、公共事業省傘下の研究開発センターやBPPT(技術応用評価庁)などの中央政府機関の他、バンドゥン工科大学、BORDA(嫌気性処理を中心に展開するNGOで、本部はドイツにある)などで排水処理技術の研究開発に携わる方々をお招きし、それぞれの機関で開発されている排水処理技術についてご紹介いただきました。

また、中央・地方政府の衛生関連政策や方針などについてご紹介いただくために、BAPPENAS(国家開発企画庁)居住・住宅局、中部ジャワ州PPLP(居住地域における環境改善機関)からも講師の方をお呼びしました。

そして、セミナーのタイトルにはインドネシア-日本の国際セミナーと名がついている通り、日本からは東北大学大学院の原田先生にお越しいただき、先生が開発されているUASB-DHSという排水処理技術についてお話いただきました。

田中代表による開会の辞
APEXの田中による開会の辞

1日目は田中による開会の辞の後、JICAインドネシアから参加された富原氏、ジョクジャカルタ特別州公共事業局のマンスル氏からご挨拶をいただきました。

富原氏(JICAインドネシア) マンスル氏(ジョクジャカルタ特別州公共事業局住宅建設部)
(左)JICAインドネシアの富原氏、(右)ジョクジャカルタ特別州公共事業局のマンスル氏

セミナー会場の様子
セミナー会場の様子

APEX代表の田中を含めて、講師陣は以下の方々です。

ワハヌディン氏(国家開発企画庁居住・住宅局) スハルソノ氏(中部ジャワ州PPLP(居住地域における環境改善機関))
(左)ワハヌディン氏(国家開発企画庁居住・住宅局)、(右)スハルソノ氏(中部ジャワ州PPLP(居住地域における環境改善機関))

ルディ氏(BPPT(科学技術応用評価庁)環境技術センター) 右:原田氏(東北大学)
(左)ルディ氏(BPPT(科学技術応用評価庁)環境技術センター)、(右)APEXの田中と東北大学の原田秀樹先生

イカ氏(BORDA) プラヤトゥニ氏(バンドゥン工科大学)
(左)イカ氏(BORDA)、(右)プラヤトゥニ氏(バンドゥン工科大学)

エリス氏(公共事業省人間居住研究開発センター)
エリス氏(公共事業省人間居住研究開発センター)

2日目の午前中にはAPEXの実施するJICA草パト事業で建設された、ジョクジャカルタ市クリチャック地区およびカラングワル地区のコミュニティ排水処理設備を視察、また、その日の午後にはパネルディスカッションも実施しました。

排水処理視察(カラングワル地区) パネルディスカッションの様子

インドネシアの生活排水処理は、まだセプティックタンクなどの嫌気性処理が中心となっていますが、嫌気性処理だけでは処理水質がまだ良好ではなく好気性処理の追加が必要だということを、参加者とともに確認することが出来ました。これを機に、適正なコミュニティ排水処理技術が広く普及することを願っております。

(APEX彦坂)

ハウスコネクション工事とポンプシステムの改良

2011年10月から開始されたJICA草の根技術協力事業「インドネシアの都市部住宅密集地域における住民参加型コミュニティ排水処理システム普及促進事業」では、これまでに以下の3市1県に計7ヶ所のコミュニティ排水処理プラントを建設しました。

プカロンガン市…ランドゥンサリ地区、サプロ地区
テガール市…スレロック地区第2町内会第12隣組、スレロック地区第4町内会第2,3隣組
ジョクジャカルタ市…クリチャック・ロール地区、カランワル地区
タバナン県…パスカン・ペロダン地区

排水処理プラントは主に以下の3つで構成されます。
1. 排水処理設備
2. 管喬(主配管)
3. ハウスコネクション(各戸から主配管へのつなぎ込み)

費用の分担に関しては、1の排水処理設備を地方政府が負担し、2の管喬を本事業費で負担し、3のハウスコネクションを住民の所有者意識を高めるために住民が負担することとしています。基本的に工事も1,2,3の順に行われます。

上の7箇所の排水処理プラントのうち、一番最近まで工事が行われていたスレロック地区第4町内会第2,3隣組では、5月にはハウスコネクション工事が完了しました。

houseconnection.jpghouseconnection2.jpg
ハウスコネクション工事の様子

また、以上の3市1県のうち、テガール市やプカロンガン市はともに海岸に面した都市で、排水処理プラントの設置場所は平坦な低地となっています。これまでの経験上、このような土地ではポンプ等の故障が生じやすいことが分かっており、本事業終了後も設備を継続的に運営してもらうために、ポンプシステムの改良を行うことにしました。

改良を行うのはテガール市、プカロンガン市の全4ヶ所の排水処理プラントで、その内容としては各家庭ですくいきれなかった髪の毛などのごみを取り除くためのスクリーンの増強、壊れにくいタイプのポンプへの変更、しかも、それを2台使っての交互運転とすること、緊急対応用のポンプ設置となっています。

gomi.jpghaisuikou.jpg
左:処理槽にたまったゴミ、右:スクリーン(ふるい)が設置されていない排水口から主にゴミが流れ込む

それぞれの排水処理プラントの保守・運転を行う住民グループへの新しいポンプシステムの説明や保守・清掃のやり方などを説明する機会も今後設ける予定です。

(APEX彦坂)

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