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インドネシアを中心に活動を行う特定非営利活動法人 APEXのスタッフ日記です。ここに書かれたことはスタッフの個人的見解であり、APEXの公式見解とは異なる場合があります。

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排水処理適正技術国際セミナーの開催

ご報告が少し遅くなりましたが、8月27日~28日にジョクジャカルタ市内のホテルで、コミュニティ排水処理の適正技術に関する国際セミナーを開催しました。参加申し込みを受け付けてからも、最初はなかなか参加申し込みが集まらず少し焦りましたが、広報先を広げることで最終的には講師を含めて111名の方が集まりました。

セミナー講師として、インドネシア国内からは、公共事業省傘下の研究開発センターやBPPT(技術応用評価庁)などの中央政府機関の他、バンドゥン工科大学、BORDA(嫌気性処理を中心に展開するNGOで、本部はドイツにある)などで排水処理技術の研究開発に携わる方々をお招きし、それぞれの機関で開発されている排水処理技術についてご紹介いただきました。

また、中央・地方政府の衛生関連政策や方針などについてご紹介いただくために、BAPPENAS(国家開発企画庁)居住・住宅局、中部ジャワ州PPLP(居住地域における環境改善機関)からも講師の方をお呼びしました。

そして、セミナーのタイトルにはインドネシア-日本の国際セミナーと名がついている通り、日本からは東北大学大学院の原田先生にお越しいただき、先生が開発されているUASB-DHSという排水処理技術についてお話いただきました。

田中代表による開会の辞
APEXの田中による開会の辞

1日目は田中による開会の辞の後、JICAインドネシアから参加された富原氏、ジョクジャカルタ特別州公共事業局のマンスル氏からご挨拶をいただきました。

富原氏(JICAインドネシア) マンスル氏(ジョクジャカルタ特別州公共事業局住宅建設部)
(左)JICAインドネシアの富原氏、(右)ジョクジャカルタ特別州公共事業局のマンスル氏

セミナー会場の様子
セミナー会場の様子

APEX代表の田中を含めて、講師陣は以下の方々です。

ワハヌディン氏(国家開発企画庁居住・住宅局) スハルソノ氏(中部ジャワ州PPLP(居住地域における環境改善機関))
(左)ワハヌディン氏(国家開発企画庁居住・住宅局)、(右)スハルソノ氏(中部ジャワ州PPLP(居住地域における環境改善機関))

ルディ氏(BPPT(科学技術応用評価庁)環境技術センター) 右:原田氏(東北大学)
(左)ルディ氏(BPPT(科学技術応用評価庁)環境技術センター)、(右)APEXの田中と東北大学の原田秀樹先生

イカ氏(BORDA) プラヤトゥニ氏(バンドゥン工科大学)
(左)イカ氏(BORDA)、(右)プラヤトゥニ氏(バンドゥン工科大学)

エリス氏(公共事業省人間居住研究開発センター)
エリス氏(公共事業省人間居住研究開発センター)

2日目の午前中にはAPEXの実施するJICA草パト事業で建設された、ジョクジャカルタ市クリチャック地区およびカラングワル地区のコミュニティ排水処理設備を視察、また、その日の午後にはパネルディスカッションも実施しました。

排水処理視察(カラングワル地区) パネルディスカッションの様子

インドネシアの生活排水処理は、まだセプティックタンクなどの嫌気性処理が中心となっていますが、嫌気性処理だけでは処理水質がまだ良好ではなく好気性処理の追加が必要だということを、参加者とともに確認することが出来ました。これを機に、適正なコミュニティ排水処理技術が広く普及することを願っております。

(APEX彦坂)

ハウスコネクション工事とポンプシステムの改良

2011年10月から開始されたJICA草の根技術協力事業「インドネシアの都市部住宅密集地域における住民参加型コミュニティ排水処理システム普及促進事業」では、これまでに以下の3市1県に計7ヶ所のコミュニティ排水処理プラントを建設しました。

プカロンガン市…ランドゥンサリ地区、サプロ地区
テガール市…スレロック地区第2町内会第12隣組、スレロック地区第4町内会第2,3隣組
ジョクジャカルタ市…クリチャック・ロール地区、カランワル地区
タバナン県…パスカン・ペロダン地区

排水処理プラントは主に以下の3つで構成されます。
1. 排水処理設備
2. 管喬(主配管)
3. ハウスコネクション(各戸から主配管へのつなぎ込み)

費用の分担に関しては、1の排水処理設備を地方政府が負担し、2の管喬を本事業費で負担し、3のハウスコネクションを住民の所有者意識を高めるために住民が負担することとしています。基本的に工事も1,2,3の順に行われます。

上の7箇所の排水処理プラントのうち、一番最近まで工事が行われていたスレロック地区第4町内会第2,3隣組では、5月にはハウスコネクション工事が完了しました。

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ハウスコネクション工事の様子

また、以上の3市1県のうち、テガール市やプカロンガン市はともに海岸に面した都市で、排水処理プラントの設置場所は平坦な低地となっています。これまでの経験上、このような土地ではポンプ等の故障が生じやすいことが分かっており、本事業終了後も設備を継続的に運営してもらうために、ポンプシステムの改良を行うことにしました。

改良を行うのはテガール市、プカロンガン市の全4ヶ所の排水処理プラントで、その内容としては各家庭ですくいきれなかった髪の毛などのごみを取り除くためのスクリーンの増強、壊れにくいタイプのポンプへの変更、しかも、それを2台使っての交互運転とすること、緊急対応用のポンプ設置となっています。

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左:処理槽にたまったゴミ、右:スクリーン(ふるい)が設置されていない排水口から主にゴミが流れ込む

それぞれの排水処理プラントの保守・運転を行う住民グループへの新しいポンプシステムの説明や保守・清掃のやり方などを説明する機会も今後設ける予定です。

(APEX彦坂)

排水処理適正技術ワークショップの開催

6月10日、11日に、ジョクジャカルタ市内のホテルで排水処理適正技術に関するワークショップを開催しました。同様のワークショップはこれまでにも開催していますが、今回のワークショップでは各都市の排水処理施設の設計や設置に携わるコンサルタントやファシリテーターを招待して、PUSTEKLIMの実践している排水処理技術(嫌気性排水処理と好気性排水処理の組み合わせ)について知ってもらうことを目的としました。また、PUSTEKLIMの技術をさらに広めるためのパートナー探しの意味合いも含まれています。

ジャワ島内全州(ジョクジャカルタ特別州、中部ジャワ州、西ジャワ州、東ジャワ州)から集まった参加者は、総勢32名。各地域で実際に排水処理に携わる方々ばかりですが、PUSTEKLIMの立体格子状回転円板を初めて知った方が多く、その効率性などに注目が集まりました。

ワークショップの参加者

ワークショップでは、ジョクジャカルタ市住宅・地域施設局の排水・衛生担当のヘンドラ氏(左下の写真)を講師としてお迎えするほか、PUSTEKLIMからはAPEX代表の田中、現地で技術リーダーを務めるヘルマン(右下の写真)が講義を行いました。

ジョクジャカルタ市住宅・地域施設局のヘンドラ氏講義を行うPUSTEKLIMのヘルマン氏

ワークショップ中には、ジョクジャカルタ市内のクリチャック・キドゥル地区(2008年設置)、カラングワル地区(2013年設置)に設置された排水処理設備も視察しました。それぞれ設備の運営委員会のメンバーである住民の方にもお越しいただき、設備の運営についてお話を伺いました。

排水処理施設現地視察の様子

ワークショップ終了後には参加者にそれぞれ修了証を贈呈しました。

ワークショップ修了証

ワークショップ中、参加者から排水の水質基準が最近さらに厳しくなっている地域もあるという話を聞きました。インドネシアではもっぱら嫌気性処理だけの排水処理が実施されていますが、嫌気性処理だけでは得られる排水の水質はあまり高くなく、このまま嫌気性処理だけを行っていては排水基準を満たすことが難しくなるのは明らかです。

今回のワークショップで得られたネットワークを元に、電力消費も少なく、運転管理も容易で排水の水質も高い排水処理技術をさらに広められれば良いと思います。

(APEX彦坂)

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